首ナイフ (2005年5月~7月) 50~91

この論題は、旧「話題別掲示板」の話題34として2005年5月から7月にかけて議論されたものです。このページには、書込50から91(最後)までを掲載します。各論者の当時の論旨は、現在の見解と異なる場合がありますので、ご注意願います。

書込0~49はこちら

(50) nagafuti / GMの権限の濃淡 (2005年06月19日01時09分)

さてそれはともかくここで見えてくるのはGMの発言力や執行能力の個々の考えの濃淡でしょうか。

すなわち個々がどれだけマスターに権限や力があるかという事ですかね。

個人的な意見としてはマスターが決定権を持ち采配する立場です。
ゆえにルールを歪曲してもそれはその場では法を施行する立場の人間の判断であり、我々には覆す事が出来ないです。
なんせプレイヤーには弁護士がいませんからね。
ただ、それはあくまでも平等な采配をするというマスターの役割分担の責務という前提条件から来る特例ですがね。< /p>

(でもその曲解が独善的だったら個人的にはトイレまで来い的な事になりそうですがね。)< /p>

とにかくそのマスターがその場面で平等だと判断し采配した結果はその場では時限的でも有効になると思います。< /p>

たとえば自分がそんな特例的処理をしたときは
「ここでは特別にこうやるけど了承してくれ」
という具合にまず枕に付けてから判定を促します。

また前の自説で処理するならば
「ミニゲーム!『彼女を救い出せ!』」
的な事をのたまってからやらせるかも知れません。

そしてその判断が正しかったか間違っていたかは、その場面が発生した場合の前後関係を洗い出してきっちり説明すれば良いんじゃないかななんて思いますがね。

これがたとえキャンペーンでもコンベンションの1セッションでも人間話し合えば留意点も見えてくるでしょう・・・もし駄目だったらお互い反省会やら意見交換やらを濃密にすれば良いし。

僕の考えは「ルールも所詮道具」だと思います。
だから、それをどのように使うかはマスター次第だと思っております。
あ、もちろん「ルールは原則守る」というのはもちろん当たり前です。
ただ、「守る」という事はその判断もゆだねている常態です。
ですからそこから派生する様々な要因はすべてマスターが判断し采配をする役割を与えられていると思ってます。

(51) 紙魚砂 / 欧米/日本のシステムの違いと「突発的首ナイフ」について (2005年06月19日02時01分)

 ども。
 前回書いたまとめで面白いなと思ったのは欧米のシステムと日本のシステムの明確な傾向の違いです。

・欧米(アメリカ?)のシステム
 システムとは、ストーリーとか世界観を再現するためのものである。要するにシミュレーションゲーム。

・近年の日本のシステム
 ルール優先であり、抜けはすべてGM判断とする。GM判断はそれがストーリー的視点で決めているのか世界観視点で決めているのか、そのコンセプトはセッションごとにまちまちなので問わない。

 上記のような傾向なので、日本のシステム(おもにFEARゲー)に準拠した志向では

・ルールブックに書いてあるからゴールデンルールは正しい。理由付けはその場のノリとか状況による

という説明の仕方になるし、欧米のシステムの場合には

・***(世界観とかストーリー)というコンセプトを再現するためにこのシステムは作られているので、GMはルールがない場合にもそれに則って判断を下す。この判断は絶対とする

というような説明の仕方になると思います。

 しかし、やっぱりFEARゲーとかでも一貫性のあるマスタリングをするのであれば「今回のセッションはこういうコンセプトで運営しているのでここはこういう裁定にします」という説明くらいは欲しいような気がします。特に「首ナイフ」のような微妙で重要な状況では。それが「常識判断」でも筋が通っていればいいと思うのですが。

>牡牛さん
>>>45(ローカルルールについて)
>キャラメイクの前にローカルルールを説明しておくこと。
>PLへの不意打ちを回避するためには、これが最初の一歩です。
>シナリオを作った段階で、GMは手段を講じる余地があります。

 シナリオで首にナイフを突きつけるというシチュエーションをあらかじめ考えてあった場合は、事前にルール処理を何とか調整するということも出来るし、事前にローカルルールを公開しておくということも出来ると思うのですが、実際のセッションで成り行きで突如逃げるために人質を取ってナイフを突きつけるということも良くあると思います。例えばPCが加減して敵を倒しきれなかった時とか。PCが自発的に首ナイフをやったときとかですね。

 そういう突発的に発生した「首ナイフ」な状況にはどう対処するのでしょうか?

#まあ、D&D3edならルール通りでいけるしロールマスターでも「痛打が入ったね」で終わる問題ではあるのですが

(52) a-lewis / ではバランスという視点から、あなたはどんな意見を出すのか (2005年06月19日19時59分)

 個人的なマスタリングとしては、「状況が許せば」PLだろうがGMだろうが、使える手は何を行っても問題ないと思ってるので、それがスタンダードではない方がTRPGは面白いだろうと。(神坂一の小説とかね)

 そこで、シナリオの練り方とかも関わって来てそうですが、基本的に私のマスタリングでは、NPC(ダンジョンもNPCに入ります)の最終目標と、置かれている状況だけ細かく設定して、あとはPLの出方次第でセッションそのものは、最後を決めずに、「PLこう言う状況に置かれている、あらゆる手段を用いて解決しなさい」で進行してくんですが。なので、シナリオを分岐とかで現すこともしません。NPCが殺人事件を起こし場合、そのトリックとか時系列で現す事はしますが。その時系列を断片から推理するのがPLの役ですね。<非常に膨大なデータが必要となります(社会力学や集団心理みたいなもの)。シティアドベンチャーでは特に。労力に対する仕事量があまり見合わない気もするので・・・w

 状況が許すってのはこう言うことで、GMだから何でも出来るというわけでは無いのです。
 ダンジョンに唐突にドラゴンが出せるわけではないし、花崗岩の洞窟で落盤事故ってのも(NPCの故意や自然災害でないかぎり)起こしようがなかったりします。かといって洞窟入ってる時に不意に震度7の地震を起こしたりはしないですね。<確率的に無くはないだろうが、やったらあんまりじゃん。
 バランスとしては、通常理屈に当てはまって高確率で起こる事が起こる(プレイヤーが推理しやすい)。シナリオの仕掛け部分では低確率な事が起こる(プレイヤーが推理しにくい)。それについての確固たる説明義務をGMは有する。ってところでしょうか?
 んで常識が優先するって言うのは、このPLが推理できる場所を提示するために必要でして、たとえば今回の例ですと、概ね無力化したNPCがナイフで致命的な急所を攻撃されたのに、致命傷になりえないとなると、どこまで常識の範疇で推理したらいいのか、逆にPLを惑わすことに繋がると。

って事で回答になってますでしょうか? <牡牛さんの他皆様。

信頼って所は、わかりませんね~w コンベンション行ったこと無いですから。
友人宅で知人同士でやってるので、なんとなく性格とか把握してるんで。
信頼してないPLでやったことが無いので。
シナリオの解決作が突飛なのは信頼とは別でしょ。

余談;
 その中で「物理的な戦闘に置いては」ガープスはGMが特にルールを作らなくても、そのシチュエーションを現す選択ルールが一杯あった。って理由で好んでやってるわけですが。<いちいちルール改変なんて、好き好んではやってないわけです。面倒だから。
 ガープスなんて、高レベルになったら即死攻撃上等ですからw<低レベルでも充分やるけど。
 上記の理由で、チャレンジレートが存在するゲームはマスターしません。<CLに引っ張られて出せる状況が制限されるから。
 後、シナリオ作成ルールやダンジョン作成ルールが乗ってるのもCLとして判断するのでやりません。

(53) nagafuti / GMの権限について (2005年06月20日00時46分)

マスターは何でも出来ると考えてます。
だってその偶然すらマスターが采配を決められますから。
・・・ま、その後どうなるかは知りませんがね。
自分としてはそれだけの権限が有ると考えています。
ただ、それを「する」「しない」という判断をルールや状況などで調整しているだけだと考えている訳です。
ただ、そのルールすら使用する事を決めるのもマスターにゆだねられていると思っています。
法の解釈は人それぞれだという事ですかね。

自分は逆にコンベンションマスターだから、来たプレイヤーに合わせてルール変えたりノリ変えたりして正味コロコロスタンス変えてやってきましたが、結構旨くやってきていますよ。
正直この辺はコンベンションだからという事もありますけどね。

で関係ないけどどうも皆さんのRPGに対する参加姿勢がいろいろ見えてきて面白いなと個人的感想も言ってみます。

(54) 'M' / いろいろ気になること (2005年06月20日17時11分)

>牡牛さん
>まず「即死効果」の存在そのものに対して、わたしは意義を認めません。

これは、本件GMの「ナイフの一撃=即死(扱い)」もしくは書き込み#43の「密閉空間での酸素不足=全滅(扱い)」について言及しているのですよね?
ゲームルールとしての「即死(効果)」の意義を認めていないのだとすると、続く文と矛盾が発生してしまいますから。< /p>

>a-lewisさん
>ルール一辺倒で、PCが思いついた事をルールに無いからの一言でぶった切る

こういうのが「極論」というのであって、誰もそういうことを書かれていないと思いますが。

>んで常識が優先するって言うのは、このPLが推理できる場所を提示するために必要でして、~
>どこまで常識の範疇で推理したらいいのか、逆にPLを惑わすことに繋がると。

常識の範疇で推理するのは"ルールに記述されていない部分"でしょう。
あらかじめ決まっていない事柄については、GMもPLと同じく常識で推理するしかないわけでして。
これは、書き込み#17#19で書かれていたように、シナリオ設定においても該当することですね。

さて。

ここで仮に、『常識の範疇で推理する部分を「"ルールに記述されていない部分"だ」と断定するのは極論だから、「バランスによって決まる」というのが妥当だ。』という意見があるとします。
しかし、この意見では"バランス"について何も言及されていません。(何と何のバランスか、とか、重みづけの基準とか)
これはつまり、「常識の範疇で推理する部分はどこまでか?」という点においては何も主張していないのと変わりがないので、"意味がない"と言われるわけです。
また、"バランス"(≒不確定の中間点?)を強調したいが故に判断基準を明確にした意見を「極論」だと主張することも、同様に"意味がない"ことです。
#まあ、「そういう意見が存在する」という事の証明としての"意味"はありますけどね。(苦笑)

(55) / まとめ中途にて色々書込=新話題開設について (2005年06月20日22時22分)

しばらく書き込めない間も活発な議論を続けてくださったことに、まず御礼申し上げます。私も一度はまとめましたが、その後の書込も加えるべく奮闘中です (^_^;)。そちらにもう少し時間がかかりますので、先に幾つかの点を。

門臥真一さん、Logさん、nagafutiさん、5th moonさん
遅くなりましたが、ご参加を歓迎します。多くの方から意見を伺え、有意義な意見交換となっております。< /p>

紙魚砂さん
「まとめ」を書き込んでくださり有難うございます。「首ナイフ」(および類似の事例)に対して考慮すべきポイントにつき、よく整理されていると思います。私なりのまとめでは、少し異なる形で整理する予定です。

さて。

Dowaさんにお勧めいただいた「仕切り直し」は考えておりません。むしろ新しい話題を挙げ、その判例について考えてまいりたい考えです。ですから、a-lewisさんの「ゴブリンvs焚火」は、「首ナイフ」のついでにやるには勿体なかったですね(^ ^;)。面白そうな(=悩めそうな)事例がありましたら、どなたでも「新話題」として掲示板を開設してくださるようお勧めいたします。ちなみに私も古典的なネタをひとつ企んでおりますよ。

GM権限」について盛んに議論されていますが、あるいはこれについても「新話題」とした方が良いかも知れません。あるいは次の「判例」で改めて問うとか...。

常識」とは「Common Sense」の訳語らしいのですが、辞書によると両者のニュアンスが少しく異なっているそうです。その辺が解決の糸口になるかもしれませんが、それもまた「新話題」とすべきかも。

次回こそはまとめを書き込みたいと思います。

(56) 'M' / 立場が逆の場合 (2005年06月21日15時52分)

ちょっと時間が経ってしまいましたが、立場が逆の場合(書き込み#44)の対応です。
ちなみに、これは書き込み#16で提示された質問と同類で既に何人かから回答されていますが、今回は着目点が違うようなので別回答としました。

>PLがNPCとの交渉で、首にナイフをつきつけました。
>GM「いいよ。ナイフだとそいつのHP余裕で残るもん。~」
>ってマスタリングはOKなんですか?

結論を言うとNGですね。

NPCはゲーム内の存在であり、その感情や思考は「ルールに記述されていない部分」です。
それを推理した場合、この例では「救助困難な状況にあるので強行しない」とNPCが考えるのは至極妥当なことと思えます。
一方、そのNPCが以前に同様の状況において人質を救助した経験がある(≒首ナイフで即死されなかった経験がある)場合には救助可能と考えるでしょうから、このGMのような行動をとるかもしれません。
ですが、NPCの"そういう経験の有無"も「ルールに記述されていない部分」です。
このNPCにそのような経験があるかどうか類推するには前提条件不足ですが、およそ高確率で存在する可能性があるとPL(PC)が想像できるのは、そういう経験が"ない"方でしょう。
ですから、このマスタリングはNGだということになります。

なお、私は以前、書き込み#16への回答として「NPCもPCも同様の対応をする」と書きましたが、それはルール適用についての姿勢であって、「ルールで可能だから実行する」というのと「NPCの経験・思考・感情的に不可能だ(と判断する)から実行しない」というのは矛盾しません。
このどちらを優先するか、という点でも一貫性が保たれているのが納得され易いマスタリングではないでしょうか。

>しなかったけどさ。風情ないからw

この例のようなマスタリングを"しない"理由が「風情がない」ではPL達に納得してもらえるかどうかわかりません。
上記のように過去に実績があるNPCだったら救出を強行しない方がオカシイわけで、PL(PC)として推理しにくい曖昧な理由で「する/しない」が決められてしまうようなマスタリングでは納得されにくいと思いますけど。

(57) a-lewis / ルールのでっち上げ (2005年06月21日21時16分)

いや、風情が無いから出来ないと明示したわけではないんですが・・・。
マスタリング、PLへの回答としては・・・

どんな屈強な人間でも喉を掻っ切られたら致命傷になるだろう。ナイフは充分にそれだけの殺傷力がある。筈<この筈をPLに納得させれば問題スルー。
よってその脅しは有効である。(常識の範疇)
ただし、NPCも有る程度の場数(レベル)を踏んでいると見なすので、組み付きに置ける反応はさせてもらう。その抵抗に成功した場合、通常戦闘の続行とする。(ゲーム的な処理)
んで、ダメージが出た場合どうするかは出てないのでやってません。

って処理をしました。

が、「出てません」じゃ答えにならないとお叱りをうけてるので。

ナイフが正しい物理ダメージを算出してると仮定して・・・
HPを分解しようと思います。
まずレベルが上がると、ほぼ無制限(レベル上限で上限はあるけども)にHPが上がるルールと、レベルが上がってもHPが増えない(増え難い)ゲームがあります。

D&DやロードスとかのHPが増えてくタイプの場合ならば:
HPはダメージに対する耐久度を示すので、瞬間的な回避や鎧に当てて逸らす技術なども含まれるとあります。
ので、HPが高いと言うのはナイフ刺されて死なない能力では無く、ダメージに対する総合能力だと言えます。
ので、ナイフが頚動脈を掻っ切るばあい、ナイフは既に喉にあるので、攻撃判定じたいはありません。<当たってるから
んで、すでに身動きすれば頚動脈にダメージが及ぶ状況に置かれているので、被害者は身動きが取れないであろうと考えられるので、HPを一定の割合(自分なら半分と言います。)減らします。
そんでHPは腕に当たっても減るし、体に当たっても減りますので、頭、体、両腕、両足の4分割します。
この中でタフな割合でさらに分割します。(例えば;頭1:体3:足4:腕3とします。)
そこで、頭の割合分を全体のHPに掛けて出たHP(最低1点か、端数切り上げ)を首その物のHPとしまして、このHPをナイフの一撃で超えれば即死。生き残っても1秒に定数ずつのダメージ(先ほどの半分にしたHPが上限でしょうか?)(出血によるショック死を表す。ゲームによってターンの秒数がちがうので各ゲームごとに変える。)で、それまでに処置できれば良し。出来なければ死亡です。
但し、これは相手が有る程度無抵抗で、「とどめの一撃」の時間を掛けない場合に限る。
通常戦闘では、部位狙いのルールになりますのでそっち参照。
これならHP10なら1点、HP100だと5点なので、有る程度覚えがある人間同士ならミスらないだろう。
これで最低点数とかで死ななければ、切りどころが本当にどうしようもなく悪かったってことで、人質取った方はあきらめると。< /p>

喉笛切ったとき、出血多量で死亡するまでの時間がうろ覚えなのが恐縮です。
どっかの本で読んだんですが・・・・。

一連の回答としてはこんな感じで如何でしょう?
常識の範疇で起こる事を、データとして扱えるレベルで提示するって言う
自分なりのバランス取りなんですが・・・。
抽象的な(部分が多い)システム使うと、この手のでっち上げばかりやってたので。細かい数値についてはPLと相談してやってたような・・・。
前提が大きく抜けたようなので、自分のマスタリングの実例をば。
内容が足らなくて申し訳ありませんでした。

んで、補足。
首切り役人の使う、(きっと)グレートアックスは、たいていの場合人間一人一撃で殺すにはダメージが不足しています。(D&D等)
しかし現実には一撃でぶった切ってるわけですが(失敗談もありますが)、これの描写にルールを使うと、高レベルキャラクターの皮膚が一般人より異常に強くなってるとしか思えない事例が出てきてしまいます。
「この人間の首の皮膚と筋肉はグレートアックスの一撃を凌いだ」って言われても・・・。

またしても長文・・・。
すみません読んでやってくださいませ。

(58) 雪だるま / ストーリー上の演出であれば認めたいが。 (2005年06月21日22時35分)

首ナイフの話は、GMないしPCが行いたい演出とルールに不整合がある場合で
その演出をルールを盾に認めないGMまたはPCがいるときに、
ルールを無視して演出を強行することがどこまで許されるのか?
という話だと思っていましたが、いろいろと話が広がっておりますね。

首ナイフでダメージを負うケースを考えると、
首を切断して頚椎を切断するようなケースでもない限り、
頚動脈を切断することで失血死する、または喉を切開されることで、
血液が気管に流れ込み窒息死するってとこでしょうか。

で、当初想定されているであろうゲームシステムのD&Dであれば、
HPが残っていれば行動不能にはならず通常の行動が可能なので、
人質のキャラが首からごぼごぼと血を噴きだしながら、
またはぱっくりと喉が割れているにもかかわらず口をあけた傷口から
ヒューヒューと息を漏らしながら平気な顔をして
「大丈夫よ、まだHP残ってるから」とかいいながら歩いてくる
とかになるので、ホラーじみてるというかかなり不気味な話ではあります。

私は風情が無い行動はあまり認めたくないので、ストーリー上の演出であれば
ルールを越えたものであっても許容したいところですけど。

ただし、逆にいえばPCがルール上不可能なことを演出上認めろと
言い出しかねないので、さじ加減は難しいのですが。
例えばジャンプのスキルもないのに3メートルの高さの壁を飛び越えて
颯爽と登場したいとか。

(59) a-lewis / どの程度の細かい指摘が最適でしょうか? (2005年06月22日01時30分)

例に突っ込むのは失礼にあたりそうなんですけども・・・。

 ジャンプに関しては、それをスキルで取らなかった時点で、「飛べない」と言う特徴(これは演出の問題にも関わるだろう)をマイナスのポイントを得ている----と、いうかジャンプは取った時点でそういうことが演出上、能力的にできるっていうアビリティですから、取ってない奴にはその演出をする権利はないんじゃないでしょうか?

と、言ってその場合は認めないですね~。

 首ナイフの場合、ナイフの扱いをある程度心得ている者なら、誰でも条件が揃えば可能って言う前提を嗅ぎ取ったんですが・・・。
 この首ナイフと同じ感覚ならば、このジャンプできる距離の数値は低すぎるから、データの改竄を求める~みたいな感じかなぁと思ってましたが・・・。

(60) / 「首ナイフ」のまとめ (2005年06月22日22時19分)

随分時間がかかりましたが、論点ごとにまとめてみました。派生した論点で幾つか省いたものがありますし、加えて誤読もあるかもしれません。それらについてはご指摘いただくか、独自にまとめていただくのが良いでしょう。

●前提条件

  1. 「悪党NPC」が「人質NPC」の首筋に、既に「ナイフ」を突きつけている。
  2. 何らかの理由で、「人質NPC」は「悪党NPC」の攻撃に無抵抗である。
  3. 通常の戦闘ルールやデータ上は、「ナイフ」で「人質NPC」に「即死」の効果を与えることはできない。

●「首ナイフ」で「即死できる」とする考え方

  • 即死できないならそのような行動を取ることはないはず。(ENT)
  • 物語や設定にルールを合わせる方が受け入れられやすい。(ENT)
  • 事前にハウスルール(ローカルルール)を説明しておく。(ENT、牡牛)
    (異論):成り行きで突如「首ナイフ」になった時には事前説明ができない。(鏡、紙魚砂)
    (例示):ヒットポイントをダメージを逸らす能力とダメージに耐える能力とに分解、更に後者を部位ごとに分解する。(a-lewis)
  • 必ず成功する行動に判定は不要、シナリオの都合上無判定で成否を決するのはゲームマスターの権利。(モノ語り屋)
  • 戦闘ルールは最低限の防御が可能な状況を前提とし、そうでない状況には適用されない。(鏡)
  • ナイフに毒、魔法の付与、即死トラップ扱い、クリティカル発生などの手法を用いる。(紙魚砂)
  • ルールブックに「ルールより常識が優先する」とあるので、ルール通り処理しなくてもよい。(a-lewis)
  • 出血多量によるショック死や、治療が間に合わない刺し方等も「即死」に含める。(a-lewis)
  • 気絶であれば「止めを刺す」で済ませられるシステムなら、まず人質の意識を失わせておけばよい。(紙魚砂)
    (異論):人質にセリフを言わせられないと、脅迫や葛藤の効果が下がる。('M')
  • 戦闘ではなくシチュエーションであって、その状況になった後の判定は不要。(Dowa)
  • 通常戦闘状態とは異なることに基づいた修正値を、ダメージ等に加えることで「即死」とする。(門臥真一)
  • 事前に告知した上で、特殊ルールにより「即死」か「瀕死」とする。「判断ミスによるペナルティ」として受け入れてもらう。(Log)
  • 「人質が反撃できない」のではなく「悪党がイニシアティブを握っている」と考えた方が良い。(a-lewis)
  • 戦闘ルールにおけるナイフのダメージは「首ナイフ」のような状況を想定したものではない。(a-lewis)
  • 我々と同じような生理機能であることから「現実的」に考え、納得してもらう。(nagafuti)
  • 首を刺されて平気なのはおかしいので、ルールを越えていても演出として許容したい。ただし他の事例まで考えるとさじ加減は難しい。(雪だるま)

●「首ナイフ」で「即死できない」とする考え方

  • ルールシステムは我々の世界とは微妙に違うゲーム内世界の現実を表しているので、従うべき。 (Mill)
  • 我々の現実でも、首筋をナイフで切りつけても必ずしも即死はしないのではないか。(鏡)
  • その世界におけるナイフには、そのダメージに見合った程度の威力(切れ味)しか無いと考える。(鏡)
  • 実は「クリティカルで死ぬかもしれないぞ」というブラフで逃亡するための時間稼ぎをしていたこととする。(紙魚砂)
  • 「即死」はゲーム的処理であり、そこに至るまでにはルール通りのダメージ処理が必要。('M')
  • 戦闘の一環と見るべきであり、イニシアティブ等も含めて戦闘ルールに従って解決されるべき。(回転翼)
    (異論):戦闘ルールの省略のみ問題視するのは適当でない。('M')
  • 「即死効果」がルールで処理できない場合は、用いるべきではない。(牡牛)

●折衷案

  • PCが行動する前に「悪党が斬り付けた場合、即死となる」旨、告知しておく。(紙魚砂、 Log)
  • 悪党が斬り付ける前に、戦闘ルールに従ってPCが介入できる余地を与える。(回転翼、モノ語り屋)
  • 「即死」ではなく「瀕死」とし、治療の機会等を与える。(モノ語り屋)

●人質がPCである場合

  • 原則として PCとNPCとで処理は変えない。('M'、a-lewis、Mill)
  • 斬り付けられる前に抵抗の機会を与え、それで事態が打開できなかったら「即死」とする。(a-lewis)
  • ルールシステムに従う。(モノ語り屋)
  • PCの場合、ルール通り処理するか、ルールを省略するかは、そのプレイヤーに決めさせる。(紙魚砂)

●ゲームシステムについて

  • 即死を発生させたいなら、はじめからそれの可能なルールシステムを使うべき。(Mill)
  • 「ルールより常識優先」という記述がルールブックに...
    ある:「ガープス完訳版」「バンパイア;ザ・マスカレード」「シャドウラン」「D&D3e」「クトゥルフの呼び声」 (a-lewis)
    ない:「アリアンロッド(基本・上級)」「六門世界」「レジェンド(モンスターメーカー)」「無限のファンタジア」「ダブルクロス2nd」「新約・魔獣の絆」「エンゼルギア」「ガンドッグ」('M')
  • 「世界観を再現しようとするシステム」と「物語観を再現しようとするシステム」とではキャラクターの扱いや、適用される「常識」、ゲームマスター判断の優先度が異なる。(紙魚砂)
  • NPCには、データのある「主要NPC」とデータの無い「脇役的NPC」がおり、扱いが異なる。(紙魚砂)
  • 「ゲームシステムに準拠する立場」と「ストーリーテリングに準拠する立場」とで、状況の解釈が異なる。 (回転翼)
  • 解決策はなにがしかのゲームシステムに準拠しているはずなので、それを明言した方が分かり易くなる。(回転翼)
  • FEAR製のルールブックには、ゲーム中の最終決定権やルールを変更もしくは使用しない権利をゲームマスターに与える「ゴールデンルール」がある。またガンドッグにも「GMの権限は絶対」「ルールで解決できない事態の裁定はGMが行う」との記述がある。(5th moon)
  • 欧米のゲームシステムはストーリーとか世界観を再現するためのもの、近年の日本のシステムはルール優先+抜けはすべてGM判断という傾向がある。後者で一貫性のあるマスタリングをするならば「そのセッションを運営するコンセプト」を説明すると良い。 (紙魚砂)

●ゲームマスターとプレイヤーについて

  • 「ゲームマスターの判断は常に正しい」「ゲームマスターの言うことに従え」では、プレイヤーに強い不満を与える。(鏡)
  • 期待していない展開を避けようとするプレイヤーには、ゲームマスターの権限に従わない者もいるのではないか。(回転翼)
  • 「即死」の可否はゲームマスターの志向によって分かれるので、プレイヤーにそれが読み取れると問題は避けられる。(紙魚砂)
  • 一応プレイヤー全員の意見を訊いた上で、ゲームマスターが最終判断(即死の判断を覆すのも含む)を下し、それに従うのが良い。
    ゲームマスターはプレイヤーからの意見も聞いて最終判断(撤回も含む)を下すのが良い。プレイヤーは異議があれば指摘しても良いが、その最終判断には従うのが妥当。('M')
  • PCの心理に対する説明無く、ゲームマスターの都合だけで納得する/させるのは、ロールプレイを軽んじている。(回転翼)
  • ゲームマスターとプレイヤーとで「常識」に差異がある場合に問題が発生する。(Mill)
  • ゲームマスターとプレイヤーとは対等な関係ではない。(モノ語り屋、'M'、5th moon)
  • プレイヤー側に介入の余地が無い場合に不満を感じるのは当然。(モノ語り屋)
  • ゲームマスターもプレイヤーも、自身の思惑/ゲーム感覚で発言するのだから、ルールに則って判定するのが無難。(回転翼)
  • ゲームマスターであってもワガママは許されない。(回転翼)
  • ゲームマスターの権限は「ゲームプレイの進行」を優先するためで、ご都合主義にまでは認められない。 ('M')
  • 「GM判断」をルールより上位に置いたうえで、なるべくルールに沿って進行させる。プレイヤーの発言は提案に過ぎず、ゲームマスターは思った通りに処理すべき。(5th moon)
  • プレーヤーの抱く感情がゲームマスターの意図したものならば、それはモチベーションを高めるための立派なテクニックである。(5th moon)
  • GMの強権発動は緊急措置であり、最低限度で使うべきものであるから、可能な限りルールに従うべき。(牡牛)
  • ルールを適用するかGM判断とするかは、バランスを考慮して、その時々に選択されるのが良い。 (a-lewis)
    (異論):「バランス」や「信頼」を説くだけでは解決にならない。(牡牛)
    (異論への反論):「信頼関係」と「シナリオの解決作が突飛であること」とは別問題。(a-lewis)
    (異論):「バランス」は「何と何のバランス」なのかまで言及しないと、主張の実が無い。('M')
  • 必要に応じてルールを使用したり、独自のルールを追加するのはゲームマスターの権利であり、セッションを楽しむ/楽しませるという目的のもと適切と思われるならばそれを行ってよい。(5th moon)
  • 常識とルールについてのさじ加減はゲームへの参加姿勢によって異なるが、自分がプレイヤーならマスターに従う。(nagafuti)
  • ゲームマスターは、ルール外の事象に対して、なるべく反感を買わないさじ加減を身につけよう。(Mill)
  • GMの強権発動は「どんな場面で使うと、PLの信頼を得られる(失う)のか」に配慮しつつ用いるべき。(牡牛)
  • ゲームマスターにどの程度の権限を与えるかは人によって考え方が異なるが、平等な采配であれば特例的処置もプレイヤーは納得できるはずである。(nagafuti)
  • 「状況が許す」なら、プレイヤーだろうがゲームマスターだろうが、使える手は何を行っても問題ない。「状況が許す」とは、参加者が先を推理しやすいということで、それゆえ常識が優先される。(a-lewis)
  • ゲームマスターには何でも出来る権限があり、その権限を行使する/しないの判断をルールや状況などで調整しているだけ。(nagafuti)

●その他

  • 「ゲスト/トループ/エキストラ」ルールでも、「首ナイフ」は別の問題を生じさせるだろう。(鏡)
  • 「生死」というデリケートな問題だと、紛糾し易い。(紙魚砂)
    (参考):プレイヤーの感情が表面化しやすいシチュエーションの直前には、休憩をとって落ち着かせておくとよい。('M')
  • そもそも解釈でもめるような状況を出してしまうこと自体が問題ではないか。(牡牛)
  • 解釈の違いから生じる問題に「唯一正しい回答」はないが、多様な発想を学びあうことが解決を助ける。(鏡)
  • 一緒に遊ぶ相手に一度聞いてみると、その人のTRPG観が見えてきそう。(Mill)

これらの中から「誰もが納得するひとつの回答を見つける」のではなく、これら「様々な発想があるということを皆が知っておく」ことによってプレイの現場での問題解決が容易になるものと考えます。

# 近日中に新話題として別の判例を問う予定です。宜しければそちらにもご参加ください。

(61) 'M' / 疑問点をいくつか (2005年06月23日00時36分)

>雪だるまさん

>私は風情が無い行動はあまり認めたくないので、ストーリー上の演出であれば
>ルールを越えたものであっても許容したいところですけど。

>ただし、逆にいえばPCがルール上不可能なことを演出上認めろと
>言い出しかねないので、さじ加減は難しいのですが。

前者はPLの立場での意見で、後者はGMの立場での意見ですよね?
立場によって意見が変わるのは仕方のないことですが、どちらの立場であろうとも、好き勝手にルールから逸脱して良いというものでもないでしょうし、特にジャンプの例などは"ストーリー上の"演出ではないので、認めることは無いと思いますよ。
もし認める場合でも、そのPLが「どんな演出(効果)を望んでいるのか」が鍵になります。
PCが「颯爽と"壁を越えて"その場に現れる」ことが望みなら、壁の上から飛び降りさせるだけでも同様の結果が得られるので、あらかじめ壁に登っていたことにしておく、という対応も考えられます。
#他のPC/NPCに不都合にならない範囲で出来るなら、という条件付きで、ですが。
そのPCが"できないことを認める"のではなく、そのPCが"できそうな代替手段を提示"すれば良いのではないでしょうか。

>a-lewisさん
>風情が無いから出来ないと明示したわけではないんですが・・・。

例のようなマスタリングを「しなかった」理由が「風情ないから」では"ない"、ということでしょうか?
では、この一文はどういう意味で書かれていたのか、あらためて説明してもらえませんか?

>しなかったけどさ。風情ないからw
(書き込み#44)

私の読解力に問題があるなら、その点を指摘していただけると助かります。
なお、書き込み#57の本文では「組み付きに置ける反応(ゲーム的処理)」を行なった(+ローカルルールを採用する予定だった)ことが書かれていますが、それが理由ならばこの一文は明らかにオカシイでしょう。
誤読を誘うような書き方は避けていただきたいのですが。

>抽象的な(部分が多い)システム使うと、この手のでっち上げばかりやってたので。細かい数値についてはPLと相談してやってたような・・・。

つまり、「ローカルルールの導入(=でっち上げ)をGM/PL双方の合意のもとに行う」という対処法なのですね。
まあ、そもそもローカルルールの導入は一方的であれば相手に納得されるはずがありませんから、ごく当たり前の対応だと思いますけど。
それと、この対処法は、対象ゲームが「抽象的な(部分が多い)システム」かどうかに関係なくあてはまるものなのでは?

>鏡さん
まとめ、御苦労様です。
一点だけ確認をお願いします。

>●ゲームマスターとプレイヤーについて
>一応プレイヤー全員の意見を訊いた上で、~それに従うのが良い。('M')

この元となった書き込みは何番でしょうか?
書き込み#11が元であるなら、要約は以下の通りです。

・GMはプレイヤーからの意見も聞いて最終判断(撤回も含む)を下すのが良い。プレイヤーは異議があれば指摘しても良いが、GMの最終判断には従うのが妥当。

(62) 牡牛 / 質問への回答 (2005年06月23日22時41分)

>>51(突発的なシナリオ展開)
この説明からだと、ちょっと状況判断しにくいのですが。

戦闘処理によるPL側の介入を、GMは承認しています。このことから「敵NPCが捕縛されても構わない、とGMは判断した」と、わたしは判断します。いちど「捕縛されてもよい」と判断したならば、手加減程度で方針を変えたりしない方がPLを無駄に混乱させないと思いますよ。

すこし厳しくいいますと、アドリブ対処を選んだのはGM本人ですよね。その場で困ったり迷ったりするくらいの対応しか出来ないのなら、シナリオ作成に時間をかけて補ったり他の誰かに相談したりと準備する余地があると思います。

>>54(提案のしかたと、提案の内容)
GMであれPLであれ、新しい提案は他の参加者にとって不意打ちに近いのです。提案した当人だけは前もって考えることが出来るのに、他の参加者はその場で短時間のうちに考え、結論を出すことを要求されるのですから。

「当然に認められる/認められない」という回答は、
提案する側とされる側との、この不公平さについてバランスを失していると考えます。
原則としては、却下されても文句を言えるものではなく、他の参加者の承認を経てようやく認めてもらえる、と解釈するのが妥当でしょう。

この点でローカルルールによる提案が優れているのは、セッション中でのそれとくらべて
不意打ちを避けようとする配慮が感じられるからです。
「行き当たりばったりではなく、シナリオを考えた末の提案なので、お願いします」
という提案のしかた(手続)のほうが良いだろう、という話でして、実のところ、ここまでは提案の内容についてはまったく触れてないんですね。

で、提案の内容の良し悪しという点から、>>49で「即死効果を認めない」と言いたかったのですが。
話す順番としては逆にすべきでしたね、申し訳ありません。

せっかくなので、もう少し具体的に言いますと、
「HP制の利点を保護するために、ダメージによらない即死攻撃を禁止すべきだ」
とわたしは考えています。
HP、攻撃力、防御力、回復魔法、装備の価格。
ゲームバランスのみならず、キャラクターの立て方にも問題が波及するからです。
「首ナイフ」問題の源はここにある、とわたしはみています。

(63) / 'M'さんによる訂正につき了解しました (2005年06月24日07時24分)

>'M' さん
了解しました。その文を短くまとめたつもりでしたが、ニュアンスを変えてしまっていたようで...。ご指示の通り、後日何らかの形で訂正します。 (文はちょっとだけ変えてます。)

  • :一応プレイヤー全員の意見を訊いた上で、ゲームマスターが最終判断(即死の判断を覆すのも含む)を下し、それに従うのが良い。
  • :ゲームマスターはプレイヤーからの意見も聞いて最終判断(撤回も含む)を下すのが良い。プレイヤーは異議があれば指摘しても良いが、その最終判断には従うのが妥当。

(64) 'M' / 「首ナイフ」が問題化する原因 (2005年06月24日11時54分)

>牡牛さん
>「HP制の利点を保護するために、ダメージによらない即死攻撃を禁止すべきだ」

ゲームによっては特殊能力などでダメージ算出無しの即死がルール化されている場合もありますから、これは"ダメージによらない"即死ではなく"演出効果による"即死ではないかと。
また、洞窟密閉の例もあるように、演出効果としての即死の発生も"攻撃"に限ったことではないでしょうから、即死"裁定"と言った方がしっくりくるのではないかと思います。
それと、"禁止"は言い過ぎじゃないかと思いますので、"極力控える"くらいでしょうか。外的要因(プレイ時間の限界など)で、そうせざるを得ない場合もあるでしょうから、ね。
つまり、こう。

「HP制の利点を保護するために、演出効果による即死裁定は極力控えるべきである」

もちろん、ルールに「重要でないNPCはダメージ算出せずに即死する」などと書いてあるような場合は別ですが。

なお、私は、「首ナイフ」が問題化するのは演出を優先するかルールを尊重するか参加者の方向性が統一できていないことが原因なのではないかと考えています。
この点への対処法としては、まずプレイ前に参加者全員で「ルールと演出のどちらを重くみるか」を一致させておく、ということになるでしょうか。具体的には、話し合いで決めるもよし、自分と方向性の合うGMを選ぶもよし、というところで。
気心の知れた仲間内で遊んでいるぶんには方向性は自然と統一されているでしょうから、「首ナイフ」(および類似問題)が問題になることはあまりないでしょう。

あと、ささいな事ですが、

>この点でローカルルールによる提案が優れているのは、セッション中でのそれとくらべて

"セッション前の"ローカルルールによる提案、ですよね?

(65) 紙魚砂 / 演出かどうかは状況によって変わる (2005年06月25日16時22分)

ども

>'M'さん
>なお、私は、「首ナイフ」が問題化するのは演出を優先するかルールを尊重するか参加者の方向性が統一できていないことが原因なのではないかと考えています。
>この点への対処法としては、まずプレイ前に参加者全員で「ルールと演出のどちらを重くみるか」を一致させておく、ということになるでしょうか。具体的には、話し合いで決めるもよし、自分と方向性の合うGMを選ぶもよし、というところで。

 「演出」という言葉が出てきたのでわかり易くなったと思うのですが、例えば僕がPCの死亡を即死にするかルール処理するかは、PLに決めさせると言ってるのは、PCの処遇の最終決定権はGMではなくPLにあると思っているので、PLに決めてもらうようにしているというところがあります。ここであれこれルール処理をするよりもサクッと死亡にした方が演出としてきれいだなあという事はしばしばありますので。あるいは、「ルール通り」とか「現実的判断」を考慮すると首に大ダメージを受けて死亡する時というのは、実際に失血死する以前にショックで意識を失ってしまっていることが多いので、死に際に何か遺言のようなことを言って死ぬなんてはっきり言って「ナンセンス」だと思うのですが、演出上の理由で延々最期の一言を滔々と語るのを許可したりします。あんまり長いとくどいですが。

--
>牡牛さん
>すこし厳しくいいますと、アドリブ対処を選んだのはGM本人ですよね。その場で困ったり迷ったりするくらいの対応しか出来ないのなら、シナリオ作成に時間をかけて補ったり他の誰かに相談したりと準備する余地があると思います。

 この辺の先の展開をどこまで詰めるかというのはシナリオの自由度をどこまで保証するかに拠っていると思っていて、僕の場合かなり自由度の高いセッションを想定しているので物理的に事前に準備するのは不可能ですね。だから、セッション中にPLと話し合うと言ってるのです。逃げる時に追い詰められて格好の人質がいる状況でルール上処理が不明なアクションであるので「人質を取るという行動をしない」こと自体が現実的に考えてナンセンスであるので、当然状況が揃ってしまったならそういう行動はNPCにさせますし。

 で、まあ突発的に起きた状況では演出として処理したいのかルール的に処理したいのかという認識がずれることは良くあることだと思うので、処理を始める前に演出で死亡にしていいか、時間がかかるけどルール処理するかという確認は取ります。

 取らないんでしょうか?

--
 あと、突発的に近いのですが

・人質NPCはルールに載っていないオリジナルの種族とか存在である
・しかし、NPCがそういう特殊な種族であるというのはシナリオを解明する重要なキーなので事前にPLに告知することは出来ない

とか

・人質を取った敵は「神様」であるので通常のルール的処理は超越する

とかいうときなんかどうするんでしょう?
(誰に聞いたらいいものやら?(笑))

それでは

(66) nagafuti / RPGというやつに対する意識について (2005年06月26日02時13分)

どうも

ここまで見てみて思うのは、そもそもRPGにどんなイメージを描いているのかというのが、これまた千差万別だということでしょうか。

明確なルールによる運営も大事ですが、その発祥からくる理念である「物語の体験」もまた重要な要素です。
そしてその参加目的もシナリオを寄せ集めたチームで達成するというものから、叙事詩的な表現を目的とするものまで様々です。

ま、個人的にはマスターが用意したシナリオを越える解釈や、そこから派生するキャラクター同士の葛藤がエキサイティングしてプレイヤー同士の考え方の違いが浮き彫りになったりする瞬間が人間同士でやっているゲームならでわだなって思いますがね。

とにかくそんな多面的解釈がなされてしまうこのRPGというやつにこの問題を投下してしまうと、結果的に実に様々な解釈や判断、そしてそこから見え隠れするRPGそのものに対しての考え方の違いが浮き彫りになってきたんではないかと思いました。

RPGをゲームと捉えるか表現方法と捉えるか。
その辺も又考え深い要素だと思いますがいかがなもんでしょうか?

・・・って板違いな発言になってますね(笑)

(67) 'M' / 「状況によって変わる」としても、その方向性を事前に明示することが重要 (2005年06月26日02時20分)

>紙魚砂さん
>PCの処遇の最終決定権はGMではなくPLにあると思っているので、

仮に、GMが事件と関係性の深いPLの意向を優先しようとしても、そのような(GMの)方針が"プレイ前に"明示されていなければプレイ中に他のPLから異議を申し立てられ事態が紛糾する恐れがあります。

>ここであれこれルール処理をするよりもサクッと死亡にした方が演出としてきれいだなあという事はしばしばありますので。

つまり、あなたがGMの場合は演出を優先する傾向が高い、ということですね。
その点がプレイ前に明示され参加者が諒解しているなら、問題化することは少ないでしょう。

>あと、突発的に近いのですが

>とかいうときなんかどうするんでしょう?

それらはすべて特例措置とみなせます。
そのような場合でも、私が考えている「まずPLから意見があればそれを聞き、GMが最終判断を下す」という流れは変わりはありません。
ここで、GM判断の決定方針がプレイ前に明示されて(参加者から諒解がとれて)おり、その方針に従った裁定を下している限りは異議を唱えられることは少ないはずです。
いかに突発的な事態とはいえ、対応方針が決まっていればそれなりに一貫性のある対応がとれるでしょう。その場その場でチグハグな対応をとってしまうようでは、PLからの信頼を得ることは難しいと思います。

(68) 牡牛 / 「判定を許可する(しない)」に含まれるGMのメッセージ (2005年06月26日20時05分)

>>64(>>62 への追加説明)
質問の意図がわからないので、確認したいのですが。
わたしは、首ナイフの公案をはなれて「HP制~」と訴えたいわけではないし、システムの体系やコンセプトを踏まえずに言っているわけでもないのです。「HP制」という前提条件が首ナイフに通じるものとしてものとして挙げたのでして。

FEAR系、とりわけN◎VAの神業については、首ナイフの事例ではもめることなく許可すべきものであり、また洞窟密閉の例はもめることなく不許可とすべきものです。(理由は>>49、>>62。>>49では、ついでにローカルルールの件も確認して下さい)以上は、PLの提案にたいする判断です。

また、演出による死亡がシナリオ進行にとってもっとも効果的であるセッション状況もあり、それについては>>49で「一本道~」と認めています。ただ、首ナイフ(>>1の設題)から伺えるGMの運用に問題があったので「認めるべきでない」と答えていました。>>66,>>67の問題には、この視点からの答えをタイトルに入れました。こちらはGMの運用にたいする判断です。

>>65(質問への答え)
自分の能力と釣り合わない「シナリオの自由度」をPLに出すならば、それこそがGMとしての怠慢だとわたしは考えます。もめそうな状況を使うのであれば、尚更です。セッション中に話しあうにしても、叩き台となるよう選択肢を考えて検討しておけば有意義ですし時間の短縮にもなります。

で、話がすすまないので、分析にはいります。

「逃げる時に追い詰められて」
 ・PCが上手に追い詰めましたか?
「格好の人質がいる」
 ・PCには人質の存在に気づき対処するチャンスが与えられていましたか?
 ・例えば、PCが襲う予定のNPCのアジトは大通りにほど近い、など
  人質をとられる蓋然性が高い、という情報をPCに説明していましたか?
 ・「ルール上処理が不明なアクション」であるにもかかわらず、
  なぜ「格好の人質」と判断したのか、説明できますか?

「人質NPCはルールに載っていないオリジナルの種族とか存在である」
 ・「そのNPCをどう運用する予定なのか」あらかじめ決めておきましたか?
 ・シナリオを引っ張るための特殊な存在であるにもかかわらず、PCの前に
  登場する段階で、こういった事項を検討していないのはなぜですか??

(69) 'M' / 質問の意図とお詫び (2005年06月27日11時51分)

>牡牛さん
>質問の意図がわからないので、確認したいのですが。
>わたしは、首ナイフの公案をはなれて「HP制~」と訴えたいわけではない

書き込み#64での質問は末尾の一文だけです。
その意図は、「"セッション前の"という記述が抜けている」点を確認することです。

HP制について書いた前段は「私が同意できるレベルへの表現変更」を試みたものであり、"「首ナイフ」が問題化する原因"=「(演出/ルール優先の)方向性の不統一」について書くための導入部分として利用させていただきました。
「HP制~」と「首ナイフ」との関係性を否定するように書いたつもりはありませんが、どうも書き方が悪かったようです。
判りにくい書き方をしてしまい、大変申し訳ありません。深くお詫び致します。

(70) 牡牛 / 深淵では、首ナイフでもめるのだろうか? (2005年06月28日02時46分)

>>69(HP制についての追加説明)
わたしの説明も、あまりこなれていませんが。

まず、>>62の「HP制~」は、>>42の「常識を適用~」と同様に
「制度の原則の確認」という視点から出したものです。

確かに「HP制~」を素直に適用した個別具体的なケースを想定すれば
'M'さんが指摘したように他の制度からの制約を受けるのが当然なのですが、
ここでの具体例はあくまで「首ナイフ」であり
その状況での「HP制~」の影響をどうみるか、に焦点を当てるつもりでした。

ですので、原則そのものを修正する必要はない、とわたしは考えています。

>>65(紙魚砂さんへ)
深淵のような、PCの動機や人間関係を重視するシステムを選ぶならば、
PLもそれに合致する期待をもって参加するものと予想されます。(わたしは深淵は未プレイですが)
GMとPLとが「判定せずに自PCを死なるのが美しい」と合意に達するケースは、「首ナイフ」とは正反対のシチュエーションでしょう。
議論の前提をさらっとひっくり返されると、>>64が空転してしまわないか心配です。

深淵で首ナイフに相当するのは、「GMが『この展開は美しい』と判断して、担当PLの拒否を無視してPCに自己犠牲を強いるのが許されるか」のようなケースだと思いますが。

(71) nagafuti / HPとナイフと私 (2005年06月28日03時05分)

HP制はほぼすべてのRPGで極当たり前のように採用されているシステムですよね。
で、それを採用することにより、RPGで一番行われている戦闘においての自己の死ににくさを表す重要なパラメーターになっている訳です。

しかしそこに物語としての表現手段である首ナイフ的な状況が発生してしまった場合、各人のルール解釈やRPGそのものに対する考えの違いから判断の違いが生じるんだなと思っております。

で、ちなみに首ナイフが至極発生しないシステム・・・たとえば「番長学園」なんてものも有るのがこのRPGって奴の面倒なところなんでしょうね。

(72) 牡牛 / 語り手たらんと望むならば (2005年06月30日02時33分)

>物語としての表現手段である首ナイフ的な状況

言葉はそもそも、記号や象徴だ、という視点からの話ですね。
 首≒命 例:首を切られる、首を洗う、首がまわらない
 ナイフ≒刃物≒危険
こういった使用例から、「首ナイフ=命の危険」という表現が成り立つし、
それだけの説得力があるだろう、という考え方です。

このような手法を採るには、
数かぎりなく存在する「ことばの具体例・使用例」と
それらから抽象した「意味」とを、
必要に応じてピックアップして結びつける技術が必要とされます。

わかりやすく言うと「この状況にもっとも適した言葉を選ぶ」ことなのですが、
"言うに易く行うは難し"の、果てしなく奥の深い技術です。
小説家や落語家などは、この道の1つのプロの形ですね。

少し話をかえますが、言葉の使い方の1つに専門用語があります。

学者のつかう学術用語、特定の業種でつかわれる業界用語。
また、女子高生のつかう変体文字や、2chでつかわれる2ch語。
他にもたくさん例がありますが、専門用語は、コミュニティの成立と強いつながりがあります。
というのは、専門用語には「仲間内と部外者とをふるいにかける」機能があるからなのです。

外部とちがう言葉の使い方を覚えながら、内部の慣習(ルール・マナー・考え方など)を平行して覚えていく。ひととおり用語を覚えたならば、コミュニティ内の人と会話する基礎ができているはずです。中国の科挙(官僚の試験)で、試験内容として四書五経など古典の暗記が要求されたのも、こうした方法論に則ったと思われます。

さて、遠回りしましたが、言葉について
「言葉の選び方1つのなかには、好むと好まざるとにかかわらず
 話し手の状況判断・理解力・表現力が自ずと表れる」
「会話がかみあわない場合には、参加意欲をさげる
 不安・徒労・疎外感といった感情が、双方ともに生じやすい」
という特徴を挙げました。

この特徴をふまえた視点から、TRPGにおける「首ナイフ」の問題性がどこにあるのか、
改めてみてみたいと思います。

(73) 紙魚砂 / 現状の問題点?&「事前に方針を決めない」というやり方について (2005年06月30日04時43分)

ども。
ここまでの話で問題点はまとまるような気がしますが。

1)問題が発生する状況
1-1)突発的事態に対して処理するルールが無い場合どうするか?
1-2)ローカルルールを使用するがPLに対して事前説明できない場合はPLに対してどう説明するのか?

2)事前に方針を告知するべきか?その場で話し合うべきか?
紙魚砂案(PLの意向を最優先する方式→その場で話し合う方式になる?)の問題点
>'M'さんwrote
>>PCの処遇の最終決定権はGMではなくPLにあると思っているので、
>仮に、GMが事件と関係性の深いPLの意向を優先しようとしても、そのような(GMの)方針が"プレイ前に"明示されていなければプレイ中に他のPLから異議を申し立てられ事態が紛糾する恐れがあります。

 多分事前に説明しないと思うのですが、問題が起きた時に「担当PL>GMの意向>他のPLの意向」という優先順位で処理しますというのを説明して、以後その方針で統一してプレイする。という処理にすると思います。僕がマスターした経験だと首ナイフとはちょっと違うPCの死亡に関する処理で

GM:「多分戦っても死亡回避できないと思うので演出で死亡にしていいですか?」
PL:「良いです」

と、処理したのですが、後で詳しく話を聞いたところ

PL:「戦って死にそうになったところで敵に屈服する、という展開も考えていたんだけど」

という意見があって、どう処理するかを決める前にまず担当PLがどうしたいのかを聞いた方が面白い展開になったと思われる状況が実際ありました。そういうわけで

・PLの意向を最優先する

という方針がいいんじゃないかと思うようになったという経緯があります。まあ、「PLの意向を最優先する」と決めるのはGMなので結局GMが決定権を持っているんですけど、「どう処理すべきか?」という方針を決めるイニシアチブを持つのがPLである、というところに意義があると思います。

 「首ナイフ」のような微妙な問題では「演出処理すべきか/ルール処理すべきか」で判断が割れることが多いと思うのですが、GMが最初からこういう方針で行きますとイニシアチブをGMが持って処理するという方法もありますが、この方法はPLの自然な意向を事前に封じ込めてしまう、という問題点もあると思います。

 逆に紛糾して多少セッションの時間を消費してもいいので、敢えて事前に方針は決めずにセッション中に進行具合を考慮しつつPLの意向を汲んで方針を決める(他のPLから異議があれば話し合う)、というやり方は、うまくまとまれば確実にPLの信頼感が得られる(つまり、このGMはPLの意向を汲んだマスタリングをしてくれる、という意味での信頼感を得られる)というメリットがあると思います。

--
>'M'さんwrote
>>ここであれこれルール処理をするよりもサクッと死亡にした方が演出としてきれいだなあという事はしばしばありますので。
>つまり、あなたがGMの場合は演出を優先する傾向が高い、ということですね。
>その点がプレイ前に明示され参加者が諒解しているなら、問題化することは少ないでしょう。

 深淵の場合、一般処理判定主体でセッションをする場合と戦闘処理判定主体でセッションする場合があるのですが、一般処理判定主体でプレイしているときに戦闘処理に移行してきちんと処理しようとするととたんに処理が重くなってテンポが著しく削がれる、という特徴(というか欠点(^^;))があるので、戦闘に入るよりは1回判定or演出処理で済ませたくなるという事情があるのはありますね(^^;。

 それでは

(74) 'M' / 「方針」について (2005年07月01日01時17分)

>紙魚砂さん

どうも"方針"の考え方が違っているようです。
演出優先かルール優先かを固定化しておくことだけが"方針"ではありません。

>「担当PL>GMの意向>他のPLの意向」という優先順位で処理します

これも一つの"方針"です。
こうしたものでも、あらかじめ明確にされていなければ、その時点で不利益を感じた参加者から異議を唱えられることになるでしょう。

>GMが最初からこういう方針で行きますとイニシアチブをGMが持って処理するという方法もありますが、~問題点もあると思います。

方針をGMが一方的に決定してしまうのでは、問題になって当然かと。
知人同士などプレイ前に交流が可能な環境では、方針は話し合って決めるのが良いでしょう。
一方、コンベンションなどプレイ前の交流が難しい環境では、方針を話し合いで決めることは(時間の都合などで)できないので、GMが主導権をもって方針を示し、それに合意できる参加者が集まる、という方式になるでしょう。
それぞれのプレイ環境に合わせて、事前に参加者の合意がとれる方針の決め方をすれば良いのではないでしょうか。

(75) a-lewis / ローカルルールの適用 (2005年07月03日17時04分)

流れが早いっすね・・・><

>68 牡牛さん
えっと面白そうでしたので、回答をば

・PCには人質の存在に気づき対処するチャンスが与えられていましたか?

 状況によるけど、NPCに人質がいて既に牢屋に放りこんでたら、PCが部屋に入った時点で人質取ってる場合もあるでしょうが、確率的に低い(普通戦闘準備の方を入念にしとくだろう。)ので、大抵の人間は突発的に自分より弱い人間を人質にするはずなので(心理的にね。ひったりに遭う女性が多いのはそういう理由でしょ?)その場から逃げ出したりするわけで、それを追ってたらPCが人質になりそうな一般人に気づく余裕はあるでしょう。

・例えば、「PCが襲う予定のNPCのアジトは大通りにほど近い」など、人質をとられる蓋然性が高い、という情報をPCに説明していましたか?

PCの情報収集の仕方次第。
情報収集を怠って危険な状況をつくるのはPLの責任であってGMにはなんら説明責任は存在しませんと思ってるので。
未踏破の場所であればそれこそ情報なんて開示できないし、未踏破でなければ情報は集め方に拠っては集められる。
集めてないPLにいかなる不利益が有ったとしてもGMが責任を負うところでは無い。

余談;逆もまた然りで、PCがNPCの起す事件に対して不意に絡んできたらNPCはPCへの対処をしてないと判断すべき。
よってPCに特殊能力があった場合、それに対処できる方法を持ってるNPCを登場させるべきではないでしょう。
あえてPCに対して対処をしようと思ったら、(裏でこっそりですが)NPCはPCと同じ処理でPCの情報を収集しなければならない。
元々PCとNPCに因縁があってある程度手の内が判ってればその限りに有らず。
それは時間軸で処理し、どこまでの情報をPC/NPCが持ってるかで準備できる時間を変え、その時間から判断できる準備を用意するべき。
なので、NPCの戦術がPC持ってる戦術に噛み合わずにイチコロにされる場合も有って良い。
これによって神業的な判断力をもつ敵ばっかりってシナリオでは無くなりますw
例1;)
PL「今回敵よわかったねー」
GM「普通、状況的にあなた方が関わるとはおもわないでしょ? 奴は君らへの準備を行わなかったし、気づいた後のあなた方の行動が早いから対処する間がなかったんだな。」
例2;)
PL「今回なんでこんなに苦戦したんだ?」
GM「NPCが君ら専用に戦術組んで、あなた方はホイホイ敵の術数に陥って、地の利と戦術的なイニシアティブを完全に奪われた状況で戦闘開始してるからね~。当然苦戦するでしょう。」
PL「それでなんで勝てないんだ?」
GM「個体を弱く設定しすぎた。組織的な封じ込めは得意でも暴徒には弱かったw、良いじゃん戦闘熱かったんだからw」
シャドウラン何かだと結構有効なマスタリングです。一度やってみてくださいな。

・「ルール上処理が不明なアクション」であるにもかかわらず、なぜ「格好の人質」と判断したのか、説明できますか?

1、ルール上の処理を考える前に状況的に手段を突発で選んだからですね。
2、警官相手に女子大生を人質に取るのが美学だからだ! ユージもタカ(※1)もそっからが見せ所じゃないか! PCにもやって欲しい! ってかやれ(GM強権発動w)
3、もっというと、人質取るという状況が楽しそうだったから。PLを悩ませることもできるだろうし、NPCの厭らしさを印象付けることも出来る。
さらに関係ない人間の命が危険に晒される(普通晒されたと判断できる。)ことで、PC対モンスターの単純な二元論に彩りを加えられる。<まさか一撃で死なないことで意見が紛糾するとは夢にも思わない。<ルール考えながらいちいちシナリオなんて進めないので。
ジャンプ距離が1mか1,1mなんて端数は跳べそうか跳べなさそうって判断で、3mなら判定必要だろう、5mなら助走無ければ無理だろう。10mなんて普通無理!くらいの判断しかしてないw ので大体距離を言うときは2mくらいって言いますよ。

(※ 1)あぶない刑事の主人公だけど判らない人います?

(76) a-lewis / 事前の打ち合わせ (2005年07月03日17時41分)

基本的には事前に特殊ルールがあったとしても、説明はしません。ええもうはっきりと。

なぜなら、PLのシナリオに対する前情報になりかねないからです。
そのPCがどんなことに巻き込まれるのかは基本的に秘密にしておいて、蓋を開けたときにびっくりさせたいからです。

まぁ、突発的状況ででっち上げる場合と、シナリオの基幹に関わる仕掛けである場合とありますが、首ナイフは突発状況なので(こんな単純な状況しかけにはしない。)対処はその場ですね。

ただ・・・・

シナリオ:ロミオとジュリエット
PCはジュリエットの父親からジュリエットを無傷で連れ戻す依頼を受けた。<設定
ジュリエットは対立する家の間柄にあるロミオと相思相愛にあった。<設定
ロミオは修道院の地下室にジュリエットを匿って、時期が来たら二人で逃げようとしていた。<設定
そんなこんなで修道院地下。<状況
ロミオはジュリエットの首にナイフを突きつけ、それ以上近づいたら彼女殺して僕も死ぬと言い出した。ジュリエットは同意してるらしい。<アドリブ
(さてジュリエットはHP13、ナイフのダメージは1D4+1だ。
ちなみにロミオのHPは15だから、自殺するのに4ターン近くはかかるよw)

ってシナリオだと仕掛けになっちゃうんですが・・・。
ここでNPCがナイフを使うって前情報はPCに与えたくないんだすよね~。
ナイフを首に突きつけるシナリオなんだって推測されるから。
その手の邪推は基本的に嫌いなんで。

のでその状況が出てきたら、一旦ではここでルール解説だ。って時間を作りますね。ので事前ではなくその場ということになります。

余談:うちのPLだと
PL:「良し判った。どうせ死ぬなら俺が殺してうやろう。(即答)」
弓を突きつける
ロミオ(GM)思考:「(えーっ!情に訴えて道を開けて貰う策は無しっすか。本当に撃たれたら意味無いじゃん!)犯罪者かおのれらはっ」
PL「そうだよw違うの?w所詮アウトローじゃんw」
以下ロミオ説得、買収工作に入るw
ってことに・・・。

(77) 牡牛 / ルールシステムもまた、物語の記号群である (2005年07月03日18時11分)

>>72 からの続きです。

TRPGの各システムには戦闘をめぐるルール群があり、その中に、
命中・ダメージ量・価格などから成る武器の体系(=武器の個性づけ)もあります。
HPを基準にした戦闘メカニズム(=HP制)という根拠があるからこそ、
PLは行動の結果を予測して、行動宣言をできるのです。
TRPGのルールブックは、この意味で
「ゲームデザイナーによって準備された物語の記号群」との解釈が十分に出来ます。

また、ヒロイック・ファンタジーの記号には、
「強さ=大きさ」とするものが存在します。
劇画系のマンガにおける、敵を大きく描く(遠近法を利用してその効果を強める)使用例は、
『北斗の拳』のラオウや『ベルセルク』のガッツの剣など近年でも目にすることが出来ます。
これの裏返しに、頻繁にナイフをちらつかせるのは
モブとしての雑魚(山賊・ヤクザの三下・不良など)です。

安価だがダメージは弱い武器。
TRPGの専門用語としてのナイフが持っている、記号性・象徴性からみても、
首ナイフなら即死という処理には、それだけではやはり問題があります。

GM、PL両方とも物語を重視する立場であるとして想像してみても、
「このGMは、ルールブックとのすりあわせもしてない。
 PLとすりあわせする能力や意思がないんじゃないか」
と疑わせてしまうようなリスクを放置しておくことは、
やはりGMの反省点とするに十分なものではないでしょうか。

ところで、こういった問題に対して、現在のシステムの多くは
世界観にあわない処理を担うための「ブレイクスルーのための設定」を用意しています。
 (例:古代魔法王国の遺産、古代文明の超科学兵器)

もっともこれらについては
「そんな特殊なアイテムを所有していたのはなぜか」
という物語が発生して、シナリオがそちらに引っ張られる副作用もありますが、
設定の根拠があることは大きな助けだ、と言ってよいものです。

ルール重視の姿勢は、必ずしも物語軽視の姿勢ではありません。
むしろ物語軽視の人に、新しい楽しさを知ってもらうために
ルールを味方につけよう、という発想をしてみてはどうでしょうか。

(78) / 紹介:月刊TRPG.NET首ナイフ問題特集 (2005年07月04日23時25分)

>各位
皆さん既にご承知のことかとは存じますが、月刊TRPG.NET2005年06月号にて「首ナイフ問題特集」を組んでおられます。こちらとはまた別視点から諸氏が論じておられますので、ご一読をお勧め申し上げます。

# 近日中に皆さんにひとつ「問い」を呈したい考えです。全員で協力してお答えいただけますと面白かろうと存じます。

(79) 紙魚砂 / 「方針」についての整理(れ:「方針」について) (2005年07月05日00時36分)

ども

>'M'さんwrote
>演出優先かルール優先かを固定化しておくことだけが"方針"ではありません。
>こうしたものでも、あらかじめ明確にされていなければ、その時点で不利益を感じた参加者から異議を唱えられることになるでしょう。
>方針をGMが一方的に決定してしまうのでは、問題になって当然かと。

 ん~。非常にあいまいな書き方をされてて何をいつ明確にすべきかよくわからないのですが

1)セッション開始時に明示しておくべき「方針」
 ・基本的にすべての方針は事前に明示した方が後の手間が軽減されるし問題が起こりにくい
 ・問題が起きた時の最終的結論の決定権の所在(要するにゴールデンルールを使うのか?とかPCについてはPLの意思を優先するか?とか)は明示すべき。
 ・特定システムでイレギュラーな遊び方をする場合の「方針」は明示すべき。「D&D3.5edを使用してルールはアバウトのノリ重視のセッションをしますよ」とか

2)問題が起きた時に明示してもよい「方針」
2-1)GMが独断で決めてしまっても良い「方針」
 ・コンベンションで残り時間が少ない時は戦闘省略して結果のみ通知する。
2-2)GM主導で決めるがPLの意見も考慮した方が良い「方針」
 ・セッションの進め方はわりと明確に決めている。プレイする時間は余裕がある。
2-3)時間をかけてもいいので話し合って決めると良い「方針」
 ・セッションをどう進めてるか固定で決めておらず、PLのやりたい方式に合わせて進めようと考えている。プレイする時間は十分ある。

...というくらいに「方針」の採用と適用については分類分け出来ると思うのですが...って自分でまとめちゃいました(^^;。問題あれば指摘ください。

(80) / 問 : 最悪の「首ナイフ」とは? (2005年07月05日23時24分)

>各位
ここまでに行われた様々な意見交換を活かし、次のような「問い」についてお考えいただきたいと思います。

問 : 考えうる最悪の「首ナイフ」とは、どういう条件で発生するものか?

まず、次のようなことが考えられます。

  • キャラクターを「ナイフ」で「即死」させる、いかなるルールもルールブックに記載されていない。
  • 「ナイフ」で「即死」させうるハウスルールを事前に表明していない。
  • その状況は予定されたものではなく、成り行きで発生した。

上記を叩き台に、あるいは新規に条件を並べてみてください。

参加を強要するものではありませんが、宜しければご参加ください。

(81) 紙魚砂 / れ:問 : 考えうる最悪の「首ナイフ」とは、どういう条件で発生するものか? (2005年07月07日00時47分)

>キャラクターを「ナイフ」で「即死」させる、いかなるルールもルールブックに記載されていない。
>「ナイフ」で「即死」させうるハウスルールを事前に表明していない。
>その状況は予定されたものではなく、成り行きで発生した。

上記条件に加えて

・PCがPCを人質に取って、お互い敵対している。
・PCはただの普通の人間か、それよりも弱い存在であり、ナイフで即死するというのも考え得る状況

かなあ(^^;。
隕石落としてうやむやにするくらいしか手がないかも(笑)。

・GMがどうすべきか判断に迷っている(突発状況では十分ありえる状況)
・PLの間では意見が割れている

というときはかなりもめそうですな。
まあ、そういうときはジャンケンか運だめしかなw

(82) Log / 最悪の首ナイフ? (2005年07月08日16時14分)

・GMが首ナイフの処理経験がなく、応用力がなく、決断力もない

要するに「え?何、この状況。どうすればいいの?全然わかんない」とか思って、
そのまま、テンパって黙り込んでしまう状況というのが「最悪」のケースでしょうか。
そのうえ、その状況の原因を作ったPLに愚痴り始めたら・・・。

質問の意図とは違う方向のような気もしますが、
強引に処理して不満を抱かせるよりも、処理さえ出来ずに険悪になるほうが「最悪」かなと。

(83) a-lewis / 最悪の首ナイフとは。 (2005年07月09日01時07分)

 「無い」と言い切ってみたりしますが。

 そもそも、マスターが人間である大きな理由は、コンピューターにできない微妙な判断が可能なことで、マスターが人間であるが故にTRPGには意味があると思っています。

 敢えてあげるとすれば、それをやることで、PLのやる気が削がれてしまうことでしょうが、最悪の首ナイフが起こった後の状況として最悪であって、最悪の状況で発生してるのとは違いますので、これはやっぱり違うはず。

 TRPGの世界の中で起こった、又は、起こした事象は何であれ、誰が起こしたことであれ、物理法則、社会法則に則っているのならば、ルール適応外だろうが、(例えばその世界の人間が排便をしないのに、トイレがあるなどという馬鹿げた設定が罷りと通ってるのでなければ)許容されるべきである。
 それを裁けないマスターであれば、習熟の為に考察を重ねて次のセッションに生かせばよく、そのとき失敗したところで、遊びであるならばその失敗は許されて然るべきであろう。これは当然の原理だと思います。
(どんなスポーツにも誤審が存在するが、それはそれとしてゲームは進めるはず。乱闘も楽しいけどw)

 よって、TRPGにおいて真に最悪な状況というのは上記以外にありえないと結論してますので、どんな状況で何が起こっても(世界法則内ならば)最悪という言葉を冠するような状況はありえないだろうと。
 むしろどんな間違った判定を行っても、その場を仮にでも繕い、先へ進めることが出来ればマスターとしては合格点だと思います。
  よって、どんな条件でも起こりえる可能性があれば、それは容認される。
「最悪の首ナイフ」は発生しない。
 また、「首ナイフに関連して、何か最悪の状況が起こったとしたら、それは何か」
という質問でしたら上記になります。<PLのやる気~とかのやつ。

 ここで、何かしらの状況から判断された「純粋に理性的な」判断であれば、PLはその判断が感情的に納得できなくても、審判に従うべきで、それに腹を立てて気を害するなどの反応は、高尚な言語主体の知的な遊戯であるTRPGにおいては大人気ないと思っておりますが。
 ちなみに、私の立腹ポイントは理に適わないことなので、「純粋に理性的な」判定がくだされていれば、まぁそういう可能性もあるだろうで納得できるわけです。
まぁそれでもマスターがルールを通せば、「ルールに従い」ますが・・・。
「ほらここにルールで書いてあるからこれは大丈夫でしょw」とか言いながらw<大人気無いw

(84) 'M' / 最悪の「首ナイフ」を考える (2005年07月10日01時58分)

>a-lewisさん
>「最悪の首ナイフ」は発生しない。

状況の発生条件に違いがあるのならば、「最悪の条件」は必ず存在するのでは?
仮に状況に優劣差がなくとも、その状況から受ける感情は好悪様々ですから、その中で大多数が「より悪い」と感じる(であろう)条件は「最悪」と呼んでもかまわないのではないかと。

>敢えてあげるとすれば、それをやることで、PLのやる気が削がれてしまうことでしょうが、

つまり、「PLのやる気を削ぐ裁定をGMが行なうこと、が最悪の状況である」ということですね。
ならば、PLのやる気を削ぐ裁定が行われる(可能性の高い)条件とは、どのようなものでしょうか?
そういう条件を考えてみよう、というのが今回の"問い"の趣旨だと思うのですが。

ただし、Logさんが挙げられたような「参加者の資質によって起こる(首ナイフでなくとも起こり得る)最悪なケース」は、対象外でしょう。
参加者の資質に依存するケースはどんなゲームでもどんな状況でも変わらないので、今回のような「最悪の条件」を考える場合には、参加者の資質は問わずにおくのがよろしいのではないかと。

...で、私が思いついたのは元々の状況設定を補強するもので、

・悪党NPCはナイフを効果的に扱う技術を身につけていない設定である
・人質NPCをその時にその場で救助することがPCに課せられている

くらいでしょうか。
「即死」させ難いとPLに思わせるものと、「即死」についてPCの関係性を強く感じさせるものです。

(85) a-lewis / 最悪の「首ナイフ」条件2 (2005年07月10日03時34分)

'M' さん
>状況の発生条件に違いがあるのならば、「最悪の条件」は必ず存在するのでは?

存在はするんでしょうが、自分がマスターである限り、些細な差でしかないと。
起こる可能性があり、その可能性を更に高くする要因があったなら処理するのがマスターのお仕事ですので、やりにくい、やりやすい程度の差はあるでしょうが、この場合ちょっと違うかなぁと思います。
ぶっちゃけマスタリングしやすいのが必ずしも良いとは思えないし、GMとしてゲーム管理もゲームの内だと思ってる手合いなので、挑戦にならないから、個人的にはPLにはGMが思いもよらなかった状況を出して欲しいものです。
>>前置き終わり。<<

前回の書き込みは、GMの立場「より」な意見だと読み返してて思ったので、プレイヤー的に考えて見ました。

プレイヤー的に最悪な首ナイフ・・・。

PCに抵抗する間があるにも関わらず(ゲームで言う数ターンとか)、なにもさせてもらえないで、ヴィジュアルシーンだとか言われると納得できないので、最悪かと。いちいち前口上なんて唱えさせるかっつうのw<地金

首ナイフに限らず、ターニングポイントとかをヴィジュアルシーンだとかで片付けるマスターは嫌いです。
なんか言ってる間に武器を抜くとか盗賊なら戦士を壁にして気づかれないように隠れ身でもして、いい位置を取るとか。
んで首を掻っ切る瞬間とかに行動起こして、助けられれば経験点余分にくれとか言うし、成功しなかったら、まぁそれはそれで・・・結果だから、充分楽しんでると。
逆に、その場で失敗したのに、
「あ、ダメージ少ないから殺せないわ、人質なんて取る意味無いじゃん。」
とかマスターに言われたら、白ける気がする。

よって、条件としては
・マスターがナルシスト的に自分の理想とする描写を勝手に喋りくった挙句、PLを置き去りにしてた場合。

でしょうか?
若干、'M'さんの言う「参加者の資質によって起こる(首ナイフでなくとも起こり得る)最悪なケース」でしかないような気がしますけど、どうなんでしょうか?

(86) 牡牛 / 「首ナイフ」問題のまとめ(1) (2005年07月17日19時25分)

 今回の鏡さんのお題、どう書こうか迷っていましたが、率直にまとめとして書くことにします。
 まずは、例文の分析からです。

 例文(>>1)は、第一に「ルール上の可否」に焦点をあてています。
 これが(真の意図を隠した)表向きの理由として使われるのでない限り、不満をもっているPLはルール遵守にこだわるプレイスタイルといえそうです。

 第二に、GMは「まずPLの行動宣言を許可し」そのうえで首ナイフによる即死という反応を返しています。行動宣言を許可することは「PLがPCを自由に行動させ、判定などをとおして状況を左右できる場面である」という示唆ですから、打開できる展開と打開できない展開、セッションがどちらに進むかはPLたちに委ねられてしかるべき場面です。

 第三に、ナイフという最弱クラスの武器に即死効果をもたせ、判定の中でもっともシステマチックに作られている戦闘を崩壊させるような介入をしています。 (>>77)

 以上の条件に対して、もっとも不満をもつPLのスタイルとして「ゲーム重視」が挙がるのは極めて妥当です。

 ひるがえって、この対立状況に至ったGMは、「ゲーム重視スタイルを狙い撃ちした」「「ゲーム重視スタイル(またはシステム構造の読み方)をよく知らない」「その場の思いつきで首ナイフを試したくなった」いずれかの不満を招くマスタリングをしたと言えます。

(87) 牡牛 / 「首ナイフ」問題のまとめ(2) (2005年07月17日19時27分)

 (1)で、例文からざっとPLとGMとの経緯を追ってきましたが、その過程では回避策がいくつもあるのです。

 第三点の回避には、ナイフで殺し得るまで人質のHPを下げる(老人・子供・赤ん坊などを人質に選ぶ)のが最適でしょう。回数制限のある即死毒や魔法薬は、他の状況でも使いまわしが利く一方で、副作用があるので注意が必要です(>>77)。

 第二点の回避には、ムービーシーンとしての処理方法があります。GMが分岐を許したくないならPCの介入をすべて却下する、介入させるならその意図をきちんと反映させる、と区別する方法です。
 また「力押しでは上手くいかない場面である」とPLにはっきりした形で示さなければ、「通常より厳しい困難の設定」という意図は理解されないまま終わってしまいます。首ナイフ担当のNPCのほかに壁・捨て石役の敵を多数用意していれば、この誤解を避けることも出来たでしょう。
 また、NPCとの人間関係を重視するのであれば、即死である必要はありません。人質NPCが「首に攻撃されたら死ぬ。PCは本心では、わたしが死んでもいい、と考えていたのだ」と思い込めば足りることですし、この場合はむしろ「首ナイフで即死しない」設定でなければ活かされません。

 第一点の回避には、選択肢がほとんどなかった頃とは違い、いまはルールシステムの選択肢がたくさん与えられています。その点で十年前「まあ仕方ない」と許容した人も、今では厳しく判断するだろう、とも思います。

 例文 (>>1)の時点では、これらの回避策を用いるタイミングはすべて過ぎ去っています。それを踏まえて、勘のいいPLの中には「GMは人質を助けさせたいとしか思えない」と受け取る人も出てくるでしょう。
 TRPG.netで取り上げられていた中で、アキトさんという方が「『首ナイフ問題』は、これだけ回避する可能性がありながら、そのどれもが潜りぬけたレアケースであって、一般的にはそうそう遭遇しないものなんじゃないかと」(http://d.hatena.ne.jp /akito_lightly/20050315#p1)と鋭く指摘なさっていますが、実にその通りだと思います。
 しかし、いざそのレアケースに至った段階(>>1)で、どうフォロー出来るかというと「GMがいずれかの前言を撤回しなくては矛盾が起きてしまう、フォローの困難な状況」なのです。過去に戻ればやり直しはいくらでも効くのに現状ではそれが出来ない。この矛盾にあえて答えさせるところが、「首ナイフはすぐれた公案だ」とわたしが考えるところです。

(88) 牡牛 / 「首ナイフ」問題のまとめ(3) (2005年07月17日19時34分)

 少なくとも、リアリティ(現実らしさ)を論じるには、そこがリアル(現実そのもの)でないことが前提となります。となれば、個別の世界観に縛られたPC視点からのリアリティ、TRPGメディアに縛られたPL視点からのリアリティ、フィクションに限らず一般に認識とは何かという問題までを含めようとするリアリティ、と3段階くらいまで区別し、その多くを充たす必要があるだろう、とわたしは考えます。
 同様に、議論の目的をどこに置くかにあたっても、同じことが言えます。

 発想を逆にして、「PLにとって面白い公案ではないか?」と仮定しても、わたしには「GMにとっての公案」に代わる何かがあるとは思えませんでした。「PLがGMに従えば解決」との回答が出されても、その答えにTRPGを面白くするような何かがあるのでしょうか。PLの寛容さに甘えているに過ぎないのではないのか、との疑問がわたしには残ります。

 GMにとっての公案と捉え、なぜ上手くいかないのか理由や前提を1つ1つ考えるなかで、「ゲーム重視スタイルがどんな価値観を基礎にしているのか」を理解していくことが、この公案を最も楽しめるやり方ではないでしょうか。

 以上から、いったん「最悪の首ナイフ」の要件を挙げますと、

・ルールシステムがパーティプレイを前提にしており、
 PL達がそれに準拠して行動宣言している。
 回復魔法など、他PCにかけられる補助魔法・強化魔法の数が多ければ、
 パーティプレイを前提としたシステムとみなしてよい。
・戦闘システムを中心としたアーキタイプの住み分けがなされている。
・ナイフが、安価かつ入手が容易な武器として設定されている。
 当然ながら、即死効果が設定されていない。
・首にナイフをあてた状態で、GMがPLに「どうする?」などと
 解決に向けた行動を促している。
・「敵NPCに攻撃する」旨の行動宣言を却下せず、承認している。

となります。

(89) 牡牛 / 「首ナイフ」問題のまとめ(4) (2005年07月17日20時49分)

 これらを一通り整理したうえで、「ではGMとしてシナリオをどう作るべきだったか」と問題を組み替えると、脅迫されるか勝利するかの2パターンのどちらかになります。この点でもっとも簡潔で的確だったのは、2chのあるスレでの「つうか、首ナイフのシーンって導入か見せ場かのどっちかだろ?」という答えでした(dat落ちで現在は見られないようです)。正直、これには参りました。

 この2パターンから、わたしが脅迫というシチュをするなら以下のように処理します。
 「きみたちは今、あるアイテムを入手するためにダンジョンへ向かっている。その理由は・・・」以降、回想シーンの中で脅迫を行い「人質の命と交換にアイテムを入手する」というクエストを与えます。
 これが強引だと思うなら、「PC1はあるクエストを終えて街へと戻った翌日に、恋人の部屋へと赴いた。だがその部屋のサイドテーブルには、ナイフで縫い止められた脅迫状が・・・」といった提示もあります。
 どちらも「きみたちは今、ダンジョンの中にいる」と同じく、ホットスタートの1アレンジです。

 ついでですが、逃走の手段として首ナイフを用いるときは、西上柾さん(http://www.trpg.net/webzine/200506/1000000291.html)が指摘する膠着問題を踏まえて、以下のように追跡へ変更する対処法を提案しておきます。
 「通りすがりの馬車に突き飛ばす」「窓から階下へ突き落とす」など、人質NPCを切り離して、敵NPCが逃走するチャンスに変える方が良いでしょう。人質NPCを助けるチャンスをPCたちに与えると同時に、「犯人を補足するか、人質を助けるか」という二者択一を先に提示してしまうのです。
 脅迫は、脅迫する敵NPCに主導権があるので、GMが状況を動かす必要があります。それに比べて、逃走では、追跡するPCに主導権を渡せるのでPLが動きやすくなるのです。

 あれこれ提案してきましたが結局のところ、わたしの意見は全て「シナリオの欠点をつぶしていく」という視点であって、「シナリオの長所を伸ばす」視点で書かれたものではありません。麻雀でいえば「なしなし」の解釈です。
 ただ、それまで知らなかったことを伝えようとするときには、なしなしの解釈の方が判りやすい、という強みがあること。逆に、受け入れようとするときには、ありありの方が強いこと。その状況ごと、立場ごとに、どちらが適しているか把握することが大事かと思います。

(90) / まとめ : 最悪の「首ナイフ」 (2005年07月18日23時52分)

「最悪の首ナイフ」についてご回答くださった皆さん、有難うございました。

いただいた回答の中には、他の方から疑問視されたものもありましたが、ここではあえて全部列記し、まとめとします。実際の「最悪」を導く組合せについては、読者各位にも考えていただければよいでしょう。

  • 問 : 考えうる最悪の「首ナイフ」とは、どういう条件で発生するものか?

以下、回答。

  • キャラクターを「ナイフ」で「即死」させる、いかなるルールもルールブックに記載されていない。 (鏡)
  • 「ナイフ」で「即死」させうるハウスルールを事前に表明していない。 (鏡)
  • その状況は予定されたものではなく、成り行きで発生した。(鏡)
  • PCがPCを人質に取って、お互い敵対している。(紙魚砂)
  • PCはただの普通の人間か、それよりも弱い存在であり、ナイフで即死するというのも考え得る。(紙魚砂)
  • ゲームマスターがどうすべきか判断に迷っている。(突発状況では十分ありえる状況)(紙魚砂)
  • プレイヤーの間では意見が割れている。(紙魚砂)
  • ゲームマスターが処理できずに黙り込んでしまったり、その状況を生じさせたプレイヤーに文句を言う。(Log)
  • 悪党NPCはナイフを効果的に扱う技術を身につけていない設定である。('M')
  • 人質NPCをその時にその場で救助することがPCに課せられている。('M')
  • マスターがナルシスト的に自分の理想とする描写を勝手に喋りくった挙句、プレイヤーを置き去りにしている。 (a-lewis)
  • ルールシステムがパーティプレイを前提にしており、プレイヤー達がそれに準拠して行動宣言している。(牡牛)
  • 戦闘システムを中心としたアーキタイプの住み分けがなされている。(牡牛)
  • ナイフが、安価かつ入手が容易な武器として設定されている。当然ながら、即死効果が設定されていない。(牡牛)
  • 首にナイフをあてた状態で、ゲームマスターがプレイヤーに「どうする?」などと解決に向けた行動を促している。(牡牛)
  • 「敵NPCに攻撃する」旨の行動宣言を却下せず、承認している。(牡牛)

さて、紙魚砂さんの回答を元に、Logさんの「ゲームマスターのフリーズ」(^^;)と対になるであろう、「プレイヤーのフリーズ」となる状況も考えてみました。

  • プレイヤーたちは「その場面でPCが取るべき行動」が分かるまで全PCの行動を抑制して悩み続けるが、実はゲームマスターは「その場面でPCが取るべき行動」を決めていない。 (鏡)

何であれ「最悪の事例」を想定しておけば、それや、それより難度の低い場合を避けることができるのではないか、というのが私の考えです。「最悪」が「解決不能なもの」であったとしても、そう説明することで場を丸く治めてもらう手もありますし。逆に、解決できると楽観視していて、できない現実に当たってしまう方を恐れるのです。

# 例えば、牡牛さんが挙げられた「導入か見せ場か」という方は、そうでない状況に出会った時「フリーズ」するのかも知れません (^^;)。

(91) 牡牛 / Re:まとめ:最悪の「首ナイフ」 (2005年07月19日21時54分)

>>90
面白い設問をありがとうございました。

>「導入か見せ場か」でない状況に出会ったとき
具体的に想像しにくいのですが、わたしであればおそらく困惑するでしょうね。
不条理ギャグを見たような気分になるかと思います。