ゲームシステムから考える「遊戯法」

ここからは、任意のゲームシステムから「遊戯法」を考えていくことについて語ってまいります。その手順は次の通り。

1、そのゲームシステムには多種多様な「遊戯法」がある、と認識する。

2、「ルールシステム」および「世界設定」のひとつひとつにつき、その特徴を読み取る。

3、読み取った各特徴から、その向き不向きを導き出す。

4、向き不向きに配慮しつつ、遊ぶ際に認識すべきテーマを定める。

5、テーマとの間に不適合や不足があるなら、それを補うための手法を定める。

6、テーマを参加者と共有し、手法を駆使してゲームプレイを行う。

上記1は大前提で、「唯一正しいもの」を探してしまわないための心構えです。2と3で読み手の解釈が、更に4で嗜好が加わることが、「遊戯法」の多様性を生む原因となっています。5の実例なども含め、某かのゲームシステム(未定)を挙げて別途説明する予定です。

先に進む前に注意点を三つほど。

その第一は、上記の「ルールシステム」とは、キャラクター作成ルール、行為判定ルール、成長ルールなどの舞台世界における現象やキャラクターを扱うルールのみを指す、ということです。

一部国産RPGには、「セッション支援ルールセッション運営ルール」とも総称される「シーン制」「ハンドアウト」「今回予告」などの(キャラクターではなく)「プレイヤーをコントロールするためのルール」があります。これらは特定の「遊戯法」を実現するための手法(上記5)に相当するもので、1~2の対象となる「ルールシステム」とは別のものです。それらが既に組み込まれているゲームシステムで「遊戯法」を自由に考えたいなら、一度すべて外して、残った部分だけから考え直す必要があります。

なお、これら「プレイヤーをコントロールするためのルール」は、厳密には「ルールシステム」ではありませんから、他のゲームシステムでも使用することができます。その場合にも、それらがどのような「遊戯法」に基づいているかを利用者間で確認しておいた方が良いでしょう。

第二、第三の注意点は次回記します。