導入設定三種

シナリオプレイの導入部で各プレイヤーキャラクター(PC)に与えられる設定には、「他のPCとの関係」「シナリオとの関係」「舞台世界との関係」の三つがあります。以下、各々の設定内容の例示は、最初が最も容易なもので、徐々に難しいものになっていきます。

1. 他のPCとの関係

なぜPCが他のPCと共にシナリオに参加するのか、を定めるものです。単なる「仲間」でなく、複雑な過去、強い感情、利害関係などをPC同士の間に設定すると、扱いが難しくなります。関係が何もないと、最も困難になります。

  • (容易) PCは既に全員仲間である。互いの関係については特に考えない。
  • (並み) PCは既に全員仲間である。互いの関係については話し合って決める。
  • (困難) PCは見知らぬ同士。まず出会い、仲間になるまでをプレイする。(出会いの場面)
  • (至難) PCは見知らぬ同士。プレイ中に関係が生まれるか否かは、成り行き次第。

2. シナリオとの関係

なぜPCがそのシナリオに関わるのか、を定めるものです。シナリオの背景や登場NPCと、PCとの間に宿命的な関係を設定すると、扱いが難しくなります。関係が何もないと、最も困難になります。

  • (容易) PCは既にシナリオに参加している状態から始める。
  • (並み) PCはシナリオに関わるべき立場にあり、依頼などを受ける。(冒険者や私立探偵など)
  • (困難) PCは、何らかの因縁でシナリオに関わっていく。(知人や過去など)
  • (至難) PCは、自らの意志でシナリオに関わっていく。(好奇心や信念など)

3. 舞台世界との関係

舞台世界におけるPCの重要性、特定シナリオ内に限らずNPCがPCをどのように評価するか、などを定めるものです。職業や身分、特殊能力、人脈などが舞台世界において特殊であるほど、扱いが難しくなります。また、設定間の格差が大きく、全体像が突飛なものとなっても、やはり難しくなります。

  • (容易) PCは舞台世界との関係を、何も持っていない。
    (例:長剣を愛用する戦士、大学事務員に命令できる大学教授)
  • (並み) PCは舞台世界との、あまり重要でない関係を持っている。
    (例:魔剣を愛用する戦士、大学学長に命令できる大学教授)
  • (困難) PCは舞台世界との、重要な関係を持っている。
    (例:世界を滅ぼす運命の魔剣を愛用する戦士、米国大統領に命令できる大学教授)
  • (至難) PCは舞台世界との、重要かつ突飛な関係を持っている。
    (例:世界を滅ぼす運命の魔剣を愛用する専業主婦、米国大統領に命令できる小学生)

以上です。

プレイにおける扱いが難しいほど、それを使いこなせた時の達成感は大きくなります。反面、それを扱うプレイヤーの発想力からは余裕を奪い、遂には設定に振り回されるようになります。周りがそれを助けることもできますが、限度を超えればプレイ進行にも重大な支障を来たすことにもなりかねません。