CoC7のルールシステム (1) データ表現の変更点

投稿日:

今回からは『Call of Cthulhu RPG』第7版(CoC7)のルールシステムについて、第6版である『クトゥルフ神話TRPG』(エンターブレイン刊)からどのように変更されたか、を語ってまいります。

初回はまず、あまり変更されなかった「データ表現ルール」、特にプレイヤーにも関係するキャラクターを表現するデータの変更点について記します。以下、主たる変更点。

能力値
STRCONSIZINTPOWDEXAPPの七能力値は、その数値が旧版の5倍となった。例えば旧版のSTR10は、CoC7ではSTR50となる。
能力値EDUは、SIZやINTと同じように決められ、年齢の下限を決めることは無くなった(旧版ではEDU+6才が最低年齢)。
(5倍となった)能力値の1/2の値と1/5の値(端数は切捨)とが、頻繁に用いられることとなった。
能力値ロール
幸運ロール」はオプションルールとなり、能力値POWとは別途に決めることとなった。
アイデアロール」はINTと同値となり、シナリオプレイ進行上で用いる特殊な判定となった。
能力値から導き出されるポイント
ダメージボーナス」の負の部分が固定値となった。例えば「-1D4」は「-1」となる。
ビルド」(Build;体格、体躯)という値が追加された。この値は、格闘戦などで用いられる。
移動率」(MOV)は固定値8のみではなく、能力値や年齢によって増減することとなった。
職業と技能
職業技能に割り振られるポイントの算出に、職業によってはEDU以外の能力値も用いられることとなった。
信用」(Credit Rating)は、明確に財力を表す値となり、買物の限度額などを決めることとなった。
交渉系技能から「値切り」が無くなり、「魅了」(Charm)と「脅迫」(Intimidate)が追加された。
鑑定」(Appraise)と「生存術」(Survival)が追加された。
「こぶし」「キック」「頭突き」「組みつき」は、「格闘(喧嘩)」(Fighting(Brawl))に統合された。基本成功率は25%、ダメージは「1D3+ダメージボーナス」。ナイフや棍棒、フライパンや包丁も、この技能で判定可能。
「ライフル」と「ショットガン」は、「銃撃(ライフル/ショットガン)」(Firearms(Rifle/Shotgun))に統合された。
「隠す」は、スリなども含めた「早業」(Sleight of Hand)となった。
「隠れる」と「忍び歩き」は、「隠密」(Stealth)に統合された。
「マーシャルアーツ」は無くなった。武術などは別の形で表現されるが、ダメージを2倍にはしない。
回避」の基本成功率は(5倍となった)DEXの1/2となり、旧版より増加した。
これら技能値でも、その1/2の値と1/5の値(端数切捨)とが、頻繁に用いられることとなった。
補足的バックグラウンド
「主義/信条」「大切な人」などの項目からなる背景設定(Backstory)を決めることとなった。これらはゲームプレイの中で、特に狂気に陥った際に、加筆訂正されていく。

以上に記されていないデータでも、その作成ルールや判定ルールは異なっていることがあります。例えば、CONやSIZが5倍の値になったため、「耐久力」を算出する計算式も変更されました。それらについても随時、紹介していきます。

この記事だけでは分からないでしょうけど、行為判定ルールにおける変更点が大きく、データの表現や作成については必要最低限の変更に留まっている、というのが私が得た概観です。例えば、能力値を5倍にしたのは、行為判定ルールを整理するため止むを得なかったからであろう、などと。

次回は、これらのデータをどのように決めていくのか、という「データ作成ルール」について示します。