ゲオマキナの操縦者 : 操脚士

先の「ゲオマキナのデータ運用」で示した操縦手順を、各役割ごとに詳述します。今回は、「操脚士」(Driver)について。

操脚士は、大抵はゲオマキナの腹部にある脚部用の操縦室(操脚室)で、「操脚判定」を担当します。操脚士にとって重要な技能は、「ゲオマキナの運転(Drive: Geomachina)」です。「運転(Drive)」とは固い地面の上を動く乗物のための技能、と解釈し、操脚判定に用います。

5. 操脚判定
操脚判定は、ゲオマキナの左右の脚部を操作して、全身または重心の移動を行う判定です。全身移動でも重心移動でも、その速度の段階(微速~全速)に応じた出力値を消費してから、「ゲオマキナの運転(Drive: Geomachina)」技能値から速度に応じた「制動修正」を引いた値で判定します。
全身移動は、「車間距離記録表(Vehicle Range Track)」(CoC p.328、BRP p.216)上の位置関係を変化させます。操脚判定に成功したら、その速度段階で移動できます。失敗したら、一つ遅い速度段階で移動するか、無理に移動する代わりにこのラウンドの操腕判定、砲撃判定、射撃判定の成功率が1/2となります。そのラウンドの初めに、観測士が観測判定で成功していれば、速度の段階は一つ速くなります。
速度の段階について。微速は距離(Range)を変化させません。半速は1、原速は2、強速は3、全速は4の距離を移動します。相手が移動した距離と向きを考慮して、最終的な距離が決まります。なお、微速でも移動さえしていれば、敵の砲撃が当たり難くなります。
衝角突撃は、全身移動の途中か最後に、敵との位置関係が「距離1」になる場合のみ行えます。操脚判定に成功すれば、衝角のダメージに速度のダメージ修正を加えたものを、相手の脚部に与えます。失敗すれば、あるいは突撃しなければ、ただ「距離1」に近づいただけとなります。
衝角突撃のダメージが脚部の装甲を超えた場合、超えた分の脚部の耐久力を減らします。耐久力が0以下になれば、片方の脚部が動かなくなります。耐久力と同じだけのマイナス値になれば、脚部は破壊されます。破壊されず、片方の脚部が動けば、微速移動は可能です。
重心移動は、停止した状態で、脚部の踏み込みを腰、胸、腕へと伝えることにより、腕部による攻撃や防御にダメージ修正を与えます。操脚判定に成功したら、速度段階(微速~全速)に応じたダメージ修正だけ、武器攻撃のダメージか盾防御の装甲が増えます。失敗したら増えず、それらの基本値だけとなります。なお、重心移動によるダメージ修正は、操脚判定の必要出力あたり一回の操腕判定にのみ有効です。

操脚士は、「指揮官」を兼ねることができます。大抵は腹部に「機関士」と、機体によっては胸部に「操腕士」と共にいますが、両方を兼任することはできません。

操脚室は、大抵は腹部にあり、周囲を装甲で覆われています。腹部に命中した攻撃のダメージが装甲を超えた場合、超えた分は腹部の耐久力、機関士の耐久力、操脚士の耐久力に振り分けられます。どのように振り分けられるかは、機関士と操脚士とで決めます。

機関士と違って操脚士は、同じ部位でも蒸気機関から少し離れたところにいるため、鎧を着ていてもマジックポイントが減るようなことはありません。