BRPのゲオマキナ向き世界設定

今回は、先に紹介したBRP(Basic Roleplaying)の23世界設定から、「汽動重機ゲオマキナ」の「既に決めたルール」と相性の良さそうなものを選びます。「既に決めたルール」といっても巨大ロボットの作成・運用ルールではなく、ここで使えそうなのはゲオマキナの操縦者になりうる職業です。

ゲオマキナを動かすには、役割を分担する操縦者たち「観測士」「機関士」「操脚士」「操腕士」「射撃士」「砲撃士」が揃わなくてはなりません。各役割に向いている職業は、BRPでは次の通りです。太字の職業では、技能選択で悩まなくとも、役割に必要な技能が得られます。

  • 観測士向きの職業は、Cowboy(牧夫)、Explorer(探検家)、Hunter(狩人)Pilot(操縦士)、Sailor(船員)、Soldier(兵士)、Spy(諜報員)。
  • 機関士向きの職業は、Engineer(技師)、Farmer(農民)、Laborer(作業員)Mechanic(整備工)Pilot(操縦士)Technician(改造屋)
  • 操脚士向きの職業は、Engineer(技師)、Explorer(探検家)、Farmer(農民)、Laborer(作業員)、Lawman(警吏)、Mechanic(整備工)Pilot(操縦士)Soldier(兵士)、Technician(改造屋)。
  • 操腕士向きの職業は、Engineer(技師)、Explorer(探検家)、Lawman(警吏)、Pilot(操縦士)Sailor(船員)、Spy(諜報員)、Technician(改造屋)。
  • 射撃士向きの職業は、Cowboy(牧夫)、Explorer(探検家)、Farmer(農民)、Hunter(狩人)、Lawman(警吏)、Soldier(兵士)、Spy(諜報員)。
  • 砲撃士向きの職業は、Sailor(船員)、Soldier(兵士)。

BRPの世界設定ごとに定められた「その世界で一般的に遭遇する、人々の職業」を確認すると、次の二つの世界設定では操縦者が揃わないこととなります。

  • 先史時代(Prehistoric)には、「操腕士」と「砲撃士」に向いている職業が無い。
  • 幻想世界(High Fantasy)には、「機関士」に向いている職業が無い。

他の21の世界設定では、すべての操縦者が揃います。操縦者の各役割において、より多く(2/3以上)の職業が存在する世界設定を「相性の良さそうな世界設定」とするなら、次の11となります。「超人物」(Superworld)は除外。

  • 東洋物(Imperial Asia)。武術家と妖怪とが、また侍と忍者とが闘う、古き中華文明圏や日本。
  • ルネサンス期(Renaissance)。驚くべき発明や陰謀に、銃とレイピアで立ち向かう新時代。
  • 産業化時代(Industrial Age)。蒸気機関等、新しい科学技術が世を席捲した、ネモ船長の時代。
  • ビクトリア朝(Victorian)。世界帝国華やかなりし、好事家とシャーロック・ホームズの時代。
  • 西部劇(Western)。新大陸を舞台に、拳銃持つ開拓者たちとネイティブアメリカンの世界。
  • パルプ小説物(Pulp Era)。1920~30年代を舞台にしたハードボイルド探偵物や秘境冒険物。
  • 第二次世界大戦(World War II)。ナチスドイツか大日本帝国が悪者の、軍事物やスパイ物。
  • 終末物(Post-Apocalyptic)。大戦や侵略によって国家や秩序が滅び、荒廃した近未来世界。
  • 近未来/サイバーパンク(Near-Future/Cyberpunk)。科学が発達したが、人心は荒廃した社会。
  • 宇宙探検物(Space Travel)。宇宙に進出した人類が、異星人の存在や未知の怪異と遭遇する。
  • 宇宙活劇(Space Opera)。大宇宙を舞台に、様々な種族が善と悪との勢力に分かれて闘う。

これらを我々の史実に近い世界として用いても良いし、それっぽい雰囲気の異世界としても構いません。例えば「第二次世界大戦」を採用するにしても、ナチスドイツ(っぽい国家/組織)を出すか出さないか、出すにしてもどの程度似せるか、はデザイナーが自分で決めること(デザイナーの自由)です。

さて、「汽動重機ゲオマキナ」は蒸気機関で動く巨大ロボットです。「産業化時代」や「ビクトリア朝」でスチームパンク的世界とするのも面白そうですが、時代としては同時期の「西部劇」を採用することとします。どこまでも広がる荒野、そこに点在する町から町へと、汽動重機に乗って旅する主人公たち。それが私にとって、想像し易い風景でしたので。

後は、「西部劇」世界設定の説明を読み、また幾つかの参考資料に触れながら、大いに空想を巡らすばかりです。「巨大ロボット」がなぜ存在するのか、なにがしか説明をでっちあげる楽しみも待っています。ここまではBRPルールブックの記述に従っていても、これからどのように味付けするかで、独自の世界設定が生み出されます。好きなことにどれほど時間を費やしてもよい、というのはアマチュアの特権ですから、のんびりやりますよ。