馬場講座で説かれたシナリオ構成

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A.V.O.N.におけるシナリオは、「馬場秀和のマスターリング講座」の第2章「シナリオ作成」で示された通り、「シナリオのゲーム要素」と「シナリオの構成部品」とから成ります。ここでは同講座に基づいて、各々について説明します。

シナリオのゲーム要素」とは、シナリオ全体の軸となるもので、「目標」「制限」「障害」の三つです。

目標
PCがそのシナリオの中で達成すべき目標である「ミッション」。
PCがそのミッションを引き受ける理由となる「PCの動機」。
プレイヤーがそのゲームシステムで遊ぶ理由となる「プレイヤーの動機」。
制限
PCがそれまでに目標を達成しなくてはならない「時間制限」。
PCがその範囲内で目標を達成しなくてはならない「移動制限」。
PCが様々な掟の中で目標を達成しなくてはならない「社会的制限」。
PCが限られたそれらを用いて目標を達成しなくてはならない「情報・装備」。
障害
PCの目標達成を直接的、積極的に妨害する「」。
PCの目標達成を間接的、受動的に妨害する「課題」。

シナリオの構成部品」とは、「ハリウッド構成」に則り、シナリオの進捗を段階的に示すものです。「導入部」「展開部」「帰結部」の三段階から成り、各々の時間配分は「1:2:1」を目安とします。

1. 導入部
ゲームマスターは、PCの置かれた状況、シナリオの「目標」や「制限」、予想される「障害」(の一部)を示す。
プレイヤーはPCに、目標達成のための行動を始めさせる。依頼人との交渉、装備購入、基本的な情報収集など。
2. 第1転換点
ゲームマスターは導入部の終わりに、「プレイヤーの動機」および「PCの動機」を強めるためのイベントを起こす。
「PCの動機」を感情的に強める。敵の悪辣さを示す、成否がPCの友人知人の運命を決めると知る、など。
「プレイヤーの動機」を事態の緊迫化によって強める。装備が限定される、脅威が増す、謎が深まる、など。
3. 展開部
プレイヤーはPCに、「制限」の範囲内で「課題」を解決させ、「目標」達成に近づくように行動させる。
4. 第2転換点
ゲームマスターは展開部の終わりに、展開部での成り行きを転換させるイベントを起こす。
パターンA : 着実に前進して、解決まであと一歩のところ、予想以上の障害が行く手を阻む。
パターンB : 難問続出で進退窮まったところ、意外なところから解決への足掛かりが得られる。
5. 帰結部
ゲームマスターは、シナリオ全体のクライマックスをハイスピードで示し、プレイヤーを引っ張っていく。
大抵は「ラストの戦闘」となる。
思わぬどんでん返し、鮮やかな形勢逆転、次から次へと明らかになる真相、襲いくる危機また危機、緊迫する時間制限などでスピード感を出す。

以上について詳細に知りたい方は、同講座を参照してください。「シーン」同士を連携させる「シナリオウェブ」という概念も重要です。

A.V.O.N.ではこれらの構成と「場札」とを組み合わせてシナリオを作成し、かつ運用することとなります。

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