12 モチベーション考の記事リスト

既に述べたように、ある行為について「褒められるとモチベーションが上がる」(=褒められないと上がらない)のは、その行為へのモチベーション(動機を与えるもの)が低い者に限られます。本当に「モチベーションが高い」者なら、褒められるくらいではモチベーションは変わりません。が、魅力や権威のある人物から「褒められたい」と望むようになれば、むしろ本来高かった「モチベーションが下がる」こともあります。

「褒めよう!」と公然と勧めることは、「褒められたい」者にも「褒めたい」者にも、それらに興味が無い者にも、大なり小なり悪い効果を及ぼします。あらゆる者にとって害悪なので、「最悪」なのです。以下、その理由。

「褒められるとモチベーションが上がる」わけではありませんが、褒める者の「褒めるモチベーション」はしばしば「高い」状態にあります。今回は、「褒める」こと(賞賛、praise)とそのモチベーションについて、行動心理学に基づいて考えます。「褒める」とは少なくとも、善良な行為ではありません。

前回は、「モチベーション」(motivation;動機づけ)が「高いか、低いか」についてまとめました。今回は「上がるか、下がるか」を、褒められることとの関係について考えます。低かったものが高くなれば、上がったことになります。

褒められると嬉しい。嬉しいから、また褒められたい。また褒めてもらえるように、頑張る。このような状態を「褒められるとモチベーションが上がる」と言うことがありますが、本当は「褒められることがモチベーションになっている」だけです。褒めてくれるかもしれない他者に依存しているので「非自己決定的」であり、極めて「モチベーションが低い」状態です。

前回の「モチベーション」(motivation;動機づけ)の定義に従って、今回はその中身について考えます。モチベーションは、低いよりも高い方が、下がるよりも上がる方が良い、とされます。では、モチベーションが高いとは、どういう状態を指すのでしょうか

卓上RPG(Table-top Roleplaying Game ; TRPG)における「モチベーション」を考える前に、今回から三回ほど「モチベーション」そのものについて記します。三回分の内容は、次の通り。

  1. モチベーション(motivation)とは、そもそも何なのか。
  2. モチベーションを高める(上げる)が高いとは、どういうことか。(→記事)
  3. 何故、褒められるとモチベーションが下がる(低まる)のか。(→記事)

このカテゴリーでは、いわゆる「モチベーション」(Motivation)について考察します。

仕事や勉強、スポーツならともかく、卓上RPG(TRPG)という遊びにおいて「モチベーション」を説くのは、異常なことです。それを遊ぶだけでは遊び続ける意欲を維持できない、維持できるほどには面白くない、かのようではありませんか。

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