11 ゴールデンルール考

いわゆる「首ナイフ」について、ツイッター上でも議論があったようです。その一部については、水無月冬弥さんが下記サイトにまとめておられます。

「首ナイフ」については私も、旧掲示板で議論を楽しませていただいたことがあります。懐かしさの勢いで、当時の書込をウェブページに編集しました。

卓上RPGには、様々な「遊び方」があります。「遊び方」とは、ゲームプレイにおいてルールシステムや世界設定をどう使って遊ぶか、という方法のことです。「メタルール」と言ってもよいのですが、下位の「ルールシステム」と混同されそうなので、私は「遊び方」と呼んでいます。

これら「遊び方」のひとつを、FEAR社は「ゴールデンルール」(黄金律)と名付け、自社製RPGシステムにしばしば採用しています。このカテゴリーでは、この「ゴールデンルール」がどのような「遊び方」なのか、その中に見出される「FEARらしさ」とは何か、などについて考えてまいります。

前回の論考で、「ゴールデンルール」は、ある特異なヒエラルキー(階級制)を成立させる、と述べました。それは、上位から順に、次のような序列です。

  1. ゲームマスター
  2. ルールシステム
  3. プレイヤー

前回の論考で、「ゴールデンルール」は極端な「ゲームマスター主導」を指向している、と述べました。今回は、この「ゲームマスター主導」とはどのような遊び方なのか、ということを説明します。

「ゲームマスター主導」とは、ゲームマスターがプレイヤーを導いてゲームプレイを成立させる遊び方のことです。ゲームマスターは、プレイヤーが「何をすれば良いか」(キャラクターに何をさせればよいか)を、あらかじめ決めておき、その集まりを「シナリオ」と呼びます。プレイヤーは、ゲームマスターから与えられる情報などから「何をすれば良いか」を読み取り、「シナリオ」通りにゲームプレイを進めるように努めます。

前回の論考では、「ゲームマスター主導」の遊び方について述べました。それと相対する遊び方として、「プレイヤー主導」というものがありますので、こちらも紹介しておきます。

まず、「プレイヤー主導」におけるヒエラルキーは、例えば次のようになります。

前々回の論考で予告した通り、今回は「ゴールデンルール」と「成長点ルール」との関係について考えます。「ゴールデンルール」の内「セッションの目的」では、「GMの権限」および「ルール運用で間違った場合」で説かれた(極端な)「ゲームマスター主導」とは異なることが説かれています。以下、考察。

今回はちょいと悪戯。私が最も愛好する「クトゥルフ神話TRPG」(Call of Cthulhu;以下CoC)に、無理矢理「FEAR型成長点ルール」を導入するとどうなるか、という思考実験をしてみます。『AR2E』における「成長点の配布」の2~4番目に相当する部分を入れ替えることになります。

もっとも、ご存知の通りCoCには、「成長点」に相当するルールはありません。「技能」は、点数ではなく確率で成長しますよ、さぁ困った。取りあえず、「成長点によるPCの成長」は考えず、「成長点の配布」だけ作ります。手順は次の通り。

今回は、本来の「クトゥルフ神話TRPG」(CoC)などのように、「ゴールデンルール」や「FEAR型成長点ルール」を用いていないゲームシステムの「遊び方」について述べます。そこでは、どのようなヒエラルキーが成立するのか、というと、厳密には「ヒエラルキー」にはならないのだけど。

ここまで考察した通り、FEAR社が導入した「ゴールデンルール」とは、「極端なゲームマスター主導」と「ゲームデザイナー主導」とを指向しています。両者を不可分とすれば、全体のヒエラルキーは次のようになります。カッコ内は、若干の補足。

  1. ゲームデザイナー(の意図)
  2. ゴールデンルール(という遊び方)
  3. ゲームマスター(とそのシナリオ)
  4. ルールシステム(および世界設定)
  5. プレイヤー(とそのキャラクター)

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