卓上RPGを「自由に遊ぶ」ということを語るために、私は「制限」「自分が面白いと思う」などの言葉を用いました。これらについて整理します。
- 自由 Liberty
 - 「自由」とは、自分の行動を、自分で決めることです。
 - 例えば「職業選択の自由」とは、自分の職業を自分で決めることです。
 - 自由に遊ぶ
 - 卓上RPGを「自由に遊ぶ」とは、自分のキャラクターの行動を、自分で決めて遊ぶことです。
 - プレイヤーは、自分のプレイヤーキャラクター(PC)の行動を、自分で決めます。シナリオで決まっていたり、ゲームマスターや他のプレイヤーによって決められることはありません。
 - ゲームマスターは、非プレイヤーキャラクター(NPC)の行動や、周囲の状況の変化を、自分で決めます。シナリオには従いますが、プレイヤーの希望に合わせる必要はありません。
 - 自分が面白いと思う
 - 「自由に遊ぶ」ことの目的は、楽しむこと、「自分が面白いと思う」ようにキャラクターを行動させて遊ぶことです。
 - 何を「自分が面白いと思う」かは自分にしか分かりません。相手が決めたこともそうであるとして受け入れます。
 - 何をしても良い
 - 「自分が面白いと思う」のであれば、キャラクターは「何をしても良い」、プレイヤーはPCに、ゲームマスターはNPCに「何をさせても良い」ことになります。
 - キャラクターの行動として「何でもできる」のですが、その結果まで思い通りになる、期待する一場面のようになるわけではありません。
 - 結果としての物語(が、あったり無かったり)
 - 「自分が面白いと思う」行動が集まって、それらが物語のようになることもあれば、ならないこともあります。
 - 自分たちが遊び楽しむのであって、他人に聞かせるのではありませんから、物語などあっても無くても構いません。
 - 制限 Limit
 - 「自由」とは、いかなる制限をも受けないこと(無制限)ではありません。
 - 例えば「職業選択の自由」とは、どのような職業にも必ず就けることではありません。
 - ルールシステムによる制限
 - キャラクターの行動は、キャラクターデータ作成や行為判定のような、キャラクターを操るためのルールシステムによって制限されます。
 - ルールシステムに従って判定される行動は、キャラクターの能力に見合った結果にしかならず、シナリオやゲームマスターやプレイヤーの都合で変えることはできません。
 - なお、ハンドアウトや今回予告、シーン制のような、プレイヤーを操るための工夫は、これに含めません。
 - 世界設定による制限
 - キャラクターの行動は、舞台となる世界の物理法則や社会慣習のような、キャラクターを操るための設定によって制限されます。
 - ルールシステムで判定されない行動の結果は、しばしば世界設定に基づいて判断され、シナリオやゲームマスターやプレイヤーの都合で曲げることはできません。
 - なお、ジャンルや元ネタに基づく「お約束」、場の「空気」のような、プレイヤーを操るための概念は、これに含めません。
 - 自己責任 Self Responsibility
 - 自分で行動を決めるのですから、それで楽しむ責任は自分で負います。
 - プレイヤーがそのPCの行動を決めて楽しむのは、自分の責任です。楽しめなかったとしても、ゲームマスターや他のプレイヤーを責めることはできません。
 - ゲームマスターがNPCの行動や状況の変化を決めて楽しむのは、自分の責任です。楽しめなかったとしても、プレイヤーを責めることはできません。
 - 自己管理 Self Control
 - 楽しむ責任を自分で負うのですから、楽しめるように各々が自分自身を管理します。
 - 他の参加者が嫌な思いをさせるのが楽しくないなら、ゲームマスターもプレイヤーも、そうならないように他の参加者に配慮して、キャラクターの行動を決めます。
 - 限られた時間内で存分に遊びたいなら、ゲームマスターもプレイヤーも、ゲームプレイの残り時間を確認して、行動の決定や描写に費やす時間を調整します。
 - 反省会 Meeting of Reviewing
 - 「自分が面白いと思う」ように遊んで楽しんだ後、反省点を述べ合う会を催します。
 - 自分自身の良かった点、悪かった点を語ることで、もう一度ゲームプレイを見つめ直します。
 - 他の参加者の反省点を訊くことで、自分とは異なる視点でゲームプレイを見つめ直します。
 - 各々の反省点について互いに意見を出し合うことで、自分だけでは得られない考え方に触れられます。
 
以上です。次は「管理」について、同様の整理を行います。
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