CD&Dにおける首ナイフ

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前回の続き。かつて新和社から和訳出版された『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(Classical Dungeons & Dragons、以下CD&D)、特にそのベーシックルールを用いて、命題「首ナイフ」(首ダガー)を考えてみます。関連するルールシステムは、次の通り。

  • ナイフ=ダガーのダメージは「1D4+強さ修正」で、0以下のダメージはないと解釈した場合、1~7の範囲。シーフのバックスタブ(不意打ち攻撃)はダメージ2倍(2~14)。呪文などで眠っている相手なら一撃即死も可能。
  • 一般人の耐久度(hp)は、1~8の範囲。頑健な鍛冶屋なら8hp、幼子や病人なら1hp。
  • 冒険者の耐久度(hp)は、1レベルなら「1D8か1D6か1D4、+強靭さ修正」で1~11の範囲。2レベルなら2~22、3レベルなら3~33の範囲。

CD&Dに登場する人類は、「一般人」(Normal Human)と「冒険者」(Adventurer)とに明確に分かれています。つまり後者は、あぶのーまるひゅーまん。

以下、加害者の強さ修正が「0」か「+2」か、通常の攻撃かバックスタブか、の四通りにおいて、何hpの被害者が「一撃で即死」するかを計算します。

  • 加害者が「強さ修正0」で通常攻撃の場合。被害者が1hpなら100%、2hpなら75%、3hpなら50%、4hpなら25%の確率で即死。5hp以上は即死せず。
  • 加害者が「強さ修正+2」で通常攻撃の場合。被害者が3hpまで100%、4hpなら75%、5hpなら50%、6hpなら25%の確率で即死。7hp以上は即死せず。
  • 加害者が「強さ修正0」でバックスタブの場合。被害者が2hpまで100%、4hpまで75%、6hpまで50%、8hpまで25%の確率で即死。9hp以上は即死せず。
  • 加害者が「強さ修正+2」でバックスタブの場合。被害者が6hpまで100%、8hpまで75%、10hpまで50%、12hpまで25%の確率で即死。13hp以上は即死せず。

被害者が「一般人」なら、偉丈夫であれば一撃は持ち応えるでしょうが、女子供やひ弱な男では高確率で即死します。バックスタブを使われたら、いかな偉丈夫も一撃即死の恐れがあります。いずれにせよ、か弱い女子供が人質とされた場合、不用意な対処は躊躇せざるを得ません。ただし加害者も「一般人」なら、シーフの出番。

被害者が「冒険者」なら、低レベルでは「一般人」と同様、高レベルなら即死の心配はありません。彼らはいずれ、魔法の火球や電撃、ドラゴンが吹く火炎すら耐え抜くようになる(かも知れない)生物です。その皮膚と筋肉をナイフごときが貫通できるものではありません、きっと。それらよりナイフが強いなら、ダメージもそうしてあるはずでしょ。

か弱い女子供は、首でなくともナイフで切られれば即死。偉丈夫は、ナイフでめった刺しにされれば死亡。化け物もとい高レベル冒険者にはナイフなど通用しない。このようなCD&Dの「ルールシステム」は妥当なバランスであり、「首ナイフ」でもそのまま用いて問題なし、と私は考えます。

※ 前回記事への金色老子さんからの素早いお返事(感謝!)については別途、よく考えてから書きます。ご容赦。

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