2006年10月アーカイブ

先に進む前に「減点方式」「加点方式」「分岐方式」といった三種のシナリオ構造の例を示しておくこととします。同じダンジョンの扱いが各方式でどう変わるか、という試みです。例によって技能名は「クトゥルフ神話TRPG」のものを用います。

まず設定。盗賊のアジトとなっているダンジョン。洞窟入口に見張りの姿は無く、入っていくと10m先に小部屋がある。不用意に入ると天井が崩れ(「目星」技能判定で気付く)、瀕死の重傷(相応のダメージ)を被った上、盗賊に気付かれる。実は入口から5mほどの地点に隠し扉(「追跡」技能判定で気付く)があり、盗賊はその先にいる…とします。

私は普段アクションやサスペンスばかりで「名作」と呼ばれるものはことごとく観ないのですが、思いつきで黒澤明監督「七人の侍」のDVDを購入。3時間30分の長編をようやく観終えました。

日記的なことを書くためのカテゴリーです。

今月もあと僅かとなりました。月初めからサイトの全面改訂作業を始め、サーバーも移転、Movable Typeによるブログまで辿り着きました。一週間は慣らし運転のようなものでしたが、その後は仕事が立て込んだせいもあって、更新が止まりました(^^;)。

ゲームプレイの現場では、時にプレイヤーは「何をすれば良いのか分からない」「PCに何をさせれば良いのか分からない」という状況に置かれることがあります。この状況もまた、前提となる考え方やシナリオの様式、要は「遊戯法」によって異なった解釈ができます。

前回述べた「減点方式シナリオ」や「加点方式シナリオ」では、シナリオの「あるべき展開」が定められており、プレイヤーが「するべき行動」(PCにさせるべき行動)もある程度決まっています。ゲームマスターはプレイヤーに「するべき行動」を伝え、プレイヤーはそれを実行することで、「あるべき展開」が実現するのです。

そろそろ「遊戯法」を具体的に考えていきましょう。

例えば、行為判定ルールにおける「失敗」をどう扱うかによって、シナリオの構造が異なったものとなり、その楽しみどころも替わります。仮にゲームやシナリオのテーマが同じであっても、ルールの使い方だけで別の「遊戯法」となり、参加者を異質なプレイに導くのです。

ここではそれらを「減点方式」「加点方式」「分岐方式」の三種に称して、各々説明します。なお、例示する技能名は何でも良かったので、私の好きな「クトゥルフ神話TRPG」から挙げております。

まず「減点方式シナリオ」では、行為判定が成功する度にシナリオが進展します。例えば「説得」技能に失敗すれば相手から情報を聞き出すことはできませんし、「鍵開け」に失敗すれば扉を開けることはできません。失敗し続ける限り話はいつまでも進まず、再度判定して成功するか、成功できそうな別の手段を考えなくてはいけません。成功が基準で、失敗した場合の「減点」しかないので、「減点方式」です。

「遊戯法」を分ける根本的発想のひとつは、「成功」をキーワードに考えることができます。「ミッション成功」「セッション成功」そして「成功が無い」ものです。これらはまた、日本における卓上RPG主流の発展史でもあるので、その順に従って説明します。

まず、卓上RPGには「成功」がありませんでした。成功が無ければ、当然「失敗」もありません。シナリオ内の目的が達成できないことはありましたし、プレイヤーキャラクターが逃げたり全滅することもありましたが、それは「失敗」ではなく、そういう「結果」に過ぎませんでした。キャラクターはまた作れますし、次回のプレイもあるのですから、結果がどうであれ、何ら問題ではありません。要は、そのプレイが「面白い」か「つまらない」かという参加者各々の主観的判断だけが重要なので、各々が「面白い」と思うように自由に遊んでいたのです。素晴らしいかな、自由なる卓上RPG!

回転翼さんから我が生涯初のトラックバックをいただきました。有難うございます。

つきましてはこちらからのトラックバックの実験台にもなっていただきました。有難うございます。

研究会の件は、会員内での内々の相談のための通知です。お伝えすることがありましたらメールを送らせていただきますし、遠からずコンベンション用のページも開設する予定です。

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ついでに笑いの件ですが、私はその辺で回転翼さんから不自然を感じた覚えはありません。コンベンションなどで大声で笑う方の中には、何だか無理に笑っているというか、「俺は笑っているんだ、楽しんでいるんだぞ!」と主張しているかのような者もいます。どちらでもそれほど気にはならないのですけどね。

「遊戯法」について更に語る前に、それを概念として認識し、考えることのメリットを示しておきます。

私が「遊戯法」などと大層な名前を付けるより遥か昔から、「ルールブックや世界設定をどう使って遊ぶか」という思考はありましたし、誰もがそれを実践してきました。昨今では「リプレイのように遊ぶ」という代替手段もありますが、それができるようになる以前や、リプレイの無いゲームシステムでは今でも、自分の頭で考えなくては遊ぶことができない/できなかったのです。

卓上RPGを遊ぶためにルールブックなどから提供された「ルールシステム」や「世界設定」は、「それらをどのように使って楽しむか」という視点から再整理された上で、実際のゲームプレイに活かされます。

この「ルールシステムや世界設定の使い方、楽しみ方」を、私はこのブログで「遊戯法」と称することとします。以前、「遊び方」と呼んでいたものと同じ概念です。

色々と勉強と練習、失敗と改善の末、ブログを公開しました。

デフォルトそのままのレイアウトを別物にしたいとか、サイト内の他のコンテンツもブログ化したいなどとも企んでおります。おいおい少しずつ手を出したいところです。…一歩進む度に針路変更しなくてはならんかも知れんけど。

はじめに

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こちらは鏡のブログです。名前は、「RPG日本」開設以前に作った同名のサイトに由来しています。

誰もがすなるブログというものを私もはじめてみることにしたわけですが、例によって日本の卓上RPGなどについて考えたことを中心に、日々の雑感なども記してまいります。あまり綺麗にまとめようとすると長文になったりで大変なので、思いつくままに少しずつ書いていくつもりです。

なお、後発の利で色々と考えた末、「トラックバック推奨&コメント不可」としました。ご意見は、トラックバックにてお寄せください。

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