09 卓上RPGデザイン論

このカテゴリーでは、卓上RPGのシステムデザインについて、鏡が考えたことなどを記してまいります。

鏡の自作システムであるA.V.O.N.A.D.A.M.の話も、ちょこちょこ出していくつもりです。

とはいえ、今後の執筆予定リストがあるわけではありませんので、当面は気が向いたら更新、となる見込。

いわゆる「行為判定」のルールシステムとは、狭義にとれば、行為の成否を判断する処理手順を指します。サイコロを振って技能値以下を出す、能力値にサイコロの出目を足して難易度以上を出す、技能で指定されたスートと同じカードを出す、などなど。

しかしながら、これを広い意味で考えるなら、次の三つの段階にまで広げることができます。キャラクターがある状況に置かれた時、そのプレイヤーは...。

何であれ行為をすれば、好ましい結果が得られることがあれば、好ましくない結果に至ることもあります。仕事や受験、交渉であれスポーツであれ、あるいは原子力発電所の運用、更には卓上RPGのゲームプレイにおいても。

このような結果の違いをどのように評価するか、には三通りの方法が考えられます。

先の論考「失敗か事故か、成り行きか」で触れた、「想定外を想定する」ということについて、具体例を幾つか挙げます。難しいことではありませんし、誰もがしばしば行っていることですが。

ドラマ」とは、演劇をはじめとして、劇的な展開を生み出すあらゆるものを指す語です。小説やマンガはもちろんのこと、スポーツや現実の事件などにも用いられます。卓上RPGのゲームプレイも、その結果が劇的であれば、「ドラマ」の一種となりえます。

この論考では、「ドラマ」を構成する三つの要素「ワールドセッティング」「キャラクター」「シチュエーション」について考察します。これら三者は常に共存するものですが、三者のどれが優勢となるかによって「ドラマ」の性格が変わります。

論考「『北斗の拳』に見る三種類のドラマ」で挙げた、「ワールドセッティングの上のドラマ」「キャラクターの間のドラマ」「シチュエーションの中のドラマ」の三者は、卓上RPGのゲームプレイにおいても語ることができます。もちろん卓上RPGは、小説やマンガ、映画などとは異質な構造を持ちますから、そこに生じる「ドラマ」もまた別物です。

先の論考「『クトゥルフ神話TRPG』非模範的相談室」の捕捉を兼ねて、また「遊び方」(遊戯法)の部分的実例として、判定ルールに合わせてシナリオを作ることについての考察をまとめます。

卓上RPGのルールシステムの内、キャラクターが試みた(一回の)行動が「上手くいったか否か」を決める手順を、ここでは「判定ルール」と呼びます。サイコロを用いるもの、カードを用いるものなど、判定ルールは多種多様ですが、その性格から次の三つに分類できます。

  • 成功か失敗かに分ける判定ルール
  • 成功の度合いを決める判定ルール
  • 得意なら必ず成功する判定ルール

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